2026年11月、広島東洋カープをめぐる最大のニュースは、森下暢仁、坂倉将吾、床田寛樹の3選手が相次いで国内フリーエージェント(FA)権の行使を表明したことだ。今季新たに国内FA権を取得した主力3選手全員が宣言するのは球団史上初。投手陣の柱2人と中軸を担う捕手が同時に去就の判断を迫られる異例の事態となった。
一方、2026年の広島はセ・リーグ4位、61勝78敗4分、勝率.439でシーズンを終えた。3年連続Bクラスからの脱却を目指す新井貴浩監督にとって、今オフは戦力の維持と若手育成を両立させなければならない重要な転換期だ。FA交渉の解禁日、宣言残留の可能性、2027年度のコーチングスタッフ、秋季キャンプの動きまで、カープの現状を整理する。
【最新ニュース】森下・坂倉・床田がFA宣言!広島カープに何が起きたのか

2026年11月6日までに、広島が今季新たに国内FA権を取得した3選手全員の権利行使を確認した。発表は3日間にわたって続き、チームの投打を支えてきた主力選手の去就が一気にオフシーズン最大の焦点となった。
11月4日:森下暢仁が国内FA権の行使を表明最初に動いたのは、右腕の森下暢仁投手だ。11月4日、球団に申請書類を提出し、国内FA権を行使することを発表した。
森下は2019年度ドラフト1位で広島に入団。2020年には10勝3敗、防御率1.91で新人王を獲得し、2021年の東京五輪では日本代表の一員として金メダル獲得に貢献した。
プロ入り後7年間で通算60勝を記録してきた右腕だが、2026年は23試合に登板して7勝11敗、防御率3.60。チーム状況も含め、今後のキャリアを考えるタイミングを迎えている。
森下は球団を通じて、まだ残留か移籍かを決め切れていないこと、球団から残留を望む言葉を受けていることを説明した。他球団からの評価を聞いたうえで判断する考えだ。広島球団の公式発表でも、本人のコメントとして残留を含めて熟考する姿勢が示されている。
11月5日:坂倉将吾もFA権を行使続いて11月5日には、捕手の坂倉将吾が国内FA権の行使を表明した。
坂倉は2016年ドラフト4位で広島に入団。2021年には打率.315を記録し、打撃力のある捕手として存在感を高めた。2023年以降は正捕手としてチームを支えてきた実績を持つ。
2026年は140試合に出場し、打率.251、15本塁打、74打点。74打点はチームトップだった。
今季は捕手だけでなく一塁や三塁での出場も増えており、複数ポジションを守れる打力のある選手として他球団からも注目されている。報道では千葉ロッテマリーンズや埼玉西武ライオンズなどが獲得に関心を示している。
坂倉がFA宣言を選んだ背景には、これまでの働きが他球団からどのように評価されるのかを確かめたいという思いがある。広島への感謝を示しながらも、選手としての評価と今後の出場機会を重視する姿勢がうかがえる。
11月6日:床田寛樹が3人目のFA宣言そして11月6日、左腕の床田寛樹投手も国内FA権の行使を発表した。これによって、今季新たに国内FA権を取得した広島の3選手全員が宣言することになった。
床田は2016年ドラフト3位で入団した左腕。2023年、2024年には2年連続で11勝を挙げ、先発ローテーションの中心として成長してきた。
2026年は初の開幕投手を務め、23試合で8勝6敗、防御率2.76。143回1/3を投げ、4年連続で規定投球回に到達した。勝利数と防御率はいずれもチームの投手陣を支える重要な数字となっている。
床田は、宣言残留を認められたことで他球団の話を聞き、改めて考える時間を得られると説明。家族とも相談しながら後悔のない選択をしたいという意向を示した。
今回の3人同時宣言は広島球団として初めての出来事だ。同一球団から同じ年に3選手がFA権を行使した例は過去のプロ野球にもあるが、3選手全員が国内他球団へ移籍すれば、1993年のFA制度導入以降で初のケースとなる。現段階で確定しているのは3人の権利行使であり、3人の退団ではない。
【2026年シーズン成績】広島カープは61勝78敗4分でセ・リーグ4位
3選手のFA宣言が大きなニュースになった背景には、チームの成績不振もある。
日本野球機構(NPB)の2026年度公式戦成績によると、広島は143試合を戦い、61勝78敗4分、勝率.439で4位。3位の横浜DeNAベイスターズとは17ゲーム差だった。
順位だけを見るとAクラスまであと一歩という印象もあるが、攻撃面の数字を確認すると、再建が必要な理由が見えてくる。
チーム打率はリーグ最下位の.223広島の2026年チーム打率は.223。セ・リーグ6球団で最も低く、143試合で431得点という数字もリーグ最少だった。
本塁打は91本でリーグ5位。得点力の不足は、単に長打が少ないという問題だけではない。出塁から得点につなげる攻撃の組み立てにも課題が残った。
一方、チーム防御率は3.39でリーグ5位。投手陣も十分な成績とはいえないものの、床田のように安定して先発イニングを消化できる選手の存在は、チームにとって大きな財産だった。
つまり2027年に向けた課題は、投手力の維持だけではない。打線の得点力を底上げし、先発陣と攻撃陣の両方を整える必要がある。
2026年の主要成績- 順位:セ・リーグ4位
- 試合数:143試合
- 勝敗:61勝78敗4分
- 勝率:.439
- チーム打率:.223
- 総得点:431点
- 本塁打:91本
- チーム防御率:3.39
これらはNPBが公表した公式戦終了時点の成績に基づく数字だ。2026年の広島は、投打の両面で上位球団との差を埋められなかった。主力選手の流出を防ぐことと、既存戦力の底上げを同時に進める必要がある。
【3選手のFA動向を比較】森下・坂倉・床田の2026年成績と移籍情報
3選手は同じタイミングでFA宣言したものの、ポジションも今季の成績も、球団にとっての戦力的な意味も異なる。去就を考える際には、それぞれの役割を分けて見る必要がある。
| 選手 | 2026年成績 | チーム内の役割 | 報道されている獲得関心 | 現在の状況 |
|---|---|---|---|---|
| 森下暢仁(29) | 23登板、7勝11敗、防御率3.60 | 先発ローテーションの中心を担う右腕 | 巨人、DeNA、ソフトバンクなど | 11月4日FA宣言。残留・移籍を熟考 |
| 坂倉将吾(28) | 140試合、打率.251、15本塁打、74打点 | 中軸を担う捕手・内野手 | ロッテ、西武など | 11月5日FA宣言。評価を聞いて判断 |
| 床田寛樹(31) | 23登板、8勝6敗、防御率2.76、143回1/3 | 開幕投手を務めた先発左腕 | オリックス、中日など | 11月6日FA宣言。宣言残留も選択肢 |
※獲得関心は各社報道に基づくもので、正式な契約交渉や移籍決定を意味しない。成績は2026年レギュラーシーズンのもの。
森下暢仁の移籍が投手陣に与える影響森下の最大の価値は、複数年にわたって先発ローテーションを担ってきた実績にある。今季は7勝11敗、防御率3.60と苦戦したが、通算60勝、防御率2.84という実績は他球団にとっても魅力だ。
獲得に関心を示していると報じられる巨人、DeNA、ソフトバンクはいずれも上位を争う戦力を持つ球団。森下が移籍先を選ぶ際には、契約条件だけでなく、優勝を狙えるチーム環境や将来的なキャリアも判断材料になると考えられる。
広島にとっては、森下が抜けた場合、先発ローテーションの再編が避けられない。単純に勝利数を補うだけではなく、年間を通じて試合を作れる投手を確保することが課題となる。
坂倉将吾の去就は捕手と打線の両方に関係する坂倉の特徴は、捕手登録でありながら一塁や三塁も守れる打撃型の選手であることだ。2026年は74打点を記録し、チームの得点力を支えた。
ただし、捕手としての出場機会は今季途中から減少し、一塁や三塁での先発出場が増えた。本人にとっても、今後どのポジションを中心にプレーするのかは大切な判断材料になる。
他球団から見れば、捕手としての経験と打撃力を兼ね備え、内野も守れる点は大きな魅力だ。ロッテや西武などが獲得に関心を示していると報じられている。
広島が残留交渉を成功させるには、契約条件だけでなく、坂倉をどのポジションで起用し、チームの中核としてどう位置づけるのかを示すことも重要になる。
床田寛樹の移籍は先発投手の層に直結床田は2026年のチーム最多となる8勝を記録し、防御率2.76という安定した数字を残した。4年連続で規定投球回に到達している点も評価材料だ。
獲得に関心を示す球団としてはオリックスや中日などが報じられている。特に床田の価値は、単発の好投ではなく、先発投手としてシーズンを通じて登板を重ねられるところにある。
森下と床田の両方が移籍した場合、広島は先発投手の補強と若手の育成を同時に進めなければならない。2027年の順位争いを考えると、床田の残留は極めて大きな意味を持つ。
【FA交渉解禁日はいつ?】宣言残留の可能性と3選手の移籍シナリオ
今回のFA問題で最も注意したいのは、FA権を行使したことと、移籍を決断したことは別だという点だ。
国内FA権を行使した選手は、他球団と交渉する権利を得る。所属球団との契約交渉も続けられるため、宣言後に元の球団へ残留する「宣言残留」も可能だ。
2026年FA交渉の重要日程- 10月29日:FA権行使の申請期間が始まる。
- 11月4日:森下暢仁がFA権行使を表明。
- 11月5日:坂倉将吾がFA権行使を表明。
- 11月6日:床田寛樹がFA権行使を表明。
- 11月9日:FA権行使の申請期限。
- 11月10日:FA宣言選手の公示予定日。
- 11月11日:他球団との契約交渉解禁日。
申請期間と公示、交渉解禁のスケジュールは、2026年度のFA関連報道で示されている。特に11月11日は、各球団が対象選手との正式な交渉に動き始める重要な日となる。
宣言残留の可能性は十分にある広島球団は3選手の宣言残留を認めている。つまり、FA宣言後に他球団の条件やチーム方針を確認し、最終的に広島と契約する選択肢が残されている。
森下は球団から残留を望む言葉を受けていることを明かし、坂倉も球団への感謝を示しながら他球団の評価を聞きたいと説明している。床田も宣言残留が可能であることへの感謝を口にしている。
3人に共通するのは、現時点で移籍先を確定させていないことだ。FA宣言は、これまでの働きに対する市場評価を知る機会でもある。
移籍を左右するのは年俸だけではないFA交渉で注目されるのは、年俸、契約年数、出場機会、チームの優勝可能性、起用方針などだ。
森下の場合は、先発投手としての評価に加えて、優勝を目指せる環境が重要な判断材料になる。坂倉は捕手・内野手としての起用方法、床田は長期的に現役を続けられる契約年数や役割がポイントになる。
また、AランクやBランクに分類される選手を他球団が獲得する場合、規定に基づいて金銭補償や人的補償が発生する。獲得側も契約条件だけでなく、補償を含めた編成上のコストを考慮する必要がある。
そのため、獲得調査が報じられた球団が必ず正式オファーを出すわけではない。報道上の関心、交渉開始、契約合意はそれぞれ異なる段階だ。
【新井貴浩監督の最新情報】2027年コーチングスタッフと新体制
FA問題と並んで注目されるのが、2027年に向けた首脳陣の再編だ。広島は11月3日、2027年度のコーチングスタッフを発表した。新井貴浩監督が続投し、新井政権は5年目を迎える。
今回の編成では新任コーチ3人の加入に加え、複数の配置転換が行われた。現役時代の経験を若手育成や守備強化に生かすことが期待される顔ぶれとなっている。
2027年度の主なコーチ人事- 新井貴浩:一軍監督として続投。
- 田中広輔:二軍内野守備・走塁コーチに就任。
- 松本高明:監督付広報から一軍内野守備・走塁コーチに転身。
- 一岡竜司:三軍投手育成コーチ兼アナリストに就任。
- 福地寿樹:一軍打撃チーフコーチから外野守備・走塁コーチへ配置転換。
- 小窪哲也:一軍内野守備・走塁コーチから打撃コーチへ配置転換。
- 赤松真人:一軍外野守備・走塁コーチから二軍野手コーチへ配置転換。
また、編成部門では副本部長のポストが新設され、元ヤクルトGMの小川淳司氏が招へいされた。現場の指導体制だけでなく、球団運営や選手編成の面でも変化が生まれている。
新井政権5年目に求められる結果新井監督にとって2027年は、これまでの育成方針を結果につなげる重要なシーズンとなる。
2026年は4位に終わり、チーム打率と得点力もリーグ最下位だった。さらに主力3選手のFA宣言が重なり、投打の中心選手を維持できるかどうかも不透明な状況にある。
この環境では、監督の采配だけでなく、二軍から一軍への戦力供給、若手の守備力向上、打撃指導の一貫性が重要になる。
特に田中広輔の二軍内野守備・走塁コーチ就任や、一岡竜司の投手育成とアナリストを兼ねる役割は、現役時代の経験とデータを組み合わせる育成体制の一例として注目される。
2027年のスタッフ発表は単なる人事異動ではない。主力の去就が揺れる中で、球団がどのような選手を育て、どのような野球を目指すのかを考える材料になる。
【秋季キャンプ2026】日南で若手強化、新井監督が掲げる2027年への準備
2026年11月5日から、広島は宮崎県日南市の天福球場で秋季キャンプを開始した。期間は11月21日までで、休養日は11月9日、13日、17日となっている。
球団が発表した参加メンバーは若手を中心とした構成。投手では黒原拓未、斉藤優汰、玉村昇悟ら、野手では林晃汰、久保修、中村奨成らが名を連ねた。
このキャンプは、2027年に向けた若手選手の体力強化と技術向上を目的とする重要な期間だ。新井監督も秋季練習でフィジカル強化を重視する方針を示している。
新井監督が日南キャンプで示した決意11月5日には、日南市の天福球場でキャンプ開始に伴う激励行事が行われ、新井監督が出席した。地元からの支援を受け、来季への意気込みを語っている。
「来年はいいことが待っていると思いますので、そう信じて宮崎のキャンプから鍛えて来年に備えたいと思います」
この発言からも、2027年に向けてチームを鍛え直す姿勢がうかがえる。秋季キャンプは、単に個人の技術を磨く場ではなく、シーズンを戦い抜く体力とチーム全体の競争力を高める機会でもある。
2027年のチーム再建で注目したい3つの課題1. 先発投手陣の再構築
森下と床田の去就次第では、先発ローテーションの再編が必要になる。既存の先発陣に加え、若手投手が一軍でどこまで登板機会をつかめるかがポイントだ。
2. 得点力の改善
2026年のチーム打率.223、431得点という数字は、攻撃面の強化が急務であることを示している。坂倉が残留するかどうかにかかわらず、中軸を担える打者の育成と補強が必要だ。
3. 若手の競争環境を整える
秋季キャンプに参加する若手には、2027年の一軍戦力として成長することが期待される。二軍コーチ陣の再編も含め、育成から一軍起用までを一貫させられるかが再建の鍵になる。
3選手のFA交渉が続く中、秋季キャンプは球団が手元に残る戦力をどう伸ばすのかを見極める場でもある。主力の残留だけに頼らず、新たな戦力を育てることが2027年の順位回復につながる。
【広島カープニュース】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:森下暢仁、坂倉将吾、床田寛樹は全員広島を退団するのですか?
A1:2026年11月6日までに3選手全員が国内FA権の行使を表明していますが、退団は確定していません。広島球団は宣言残留を認めており、他球団の評価を聞いたうえで残留を選ぶ可能性もあります。
Q2:広島カープのFA交渉解禁日はいつですか?
A2:2026年11月11日です。11月10日にFA宣言選手が公示され、その翌日から他球団との契約交渉が可能になります。
Q3:床田寛樹の2026年シーズン成績は?
A3:23試合に登板し、8勝6敗、防御率2.76、143回1/3を記録しました。4年連続で規定投球回に到達し、チームの先発投手陣を支えました。
Q4:広島カープの2026年セ・リーグ順位は何位ですか?
A4:4位です。143試合で61勝78敗4分、勝率.439という成績でシーズンを終えました。
Q5:新井貴浩監督は2027年も続投しますか?
A5:2027年度のコーチングスタッフ発表では、新井貴浩監督が引き続き一軍監督を務めることが示されています。2027年は新井政権5年目となります。
Q6:広島カープの2026年秋季キャンプはいつまでですか?
A6:宮崎県日南市の天福球場で11月5日から11月21日まで実施されます。若手を中心とした選手が参加し、2027年シーズンに向けた強化を進めています。
2026年11月の広島カープニュースで最大の焦点となっているのは、森下暢仁、坂倉将吾、床田寛樹の国内FA宣言だ。球団史上初となる同一年3選手の宣言は、チーム編成に大きな影響を与える可能性がある。
ただし、3選手とも宣言残留という選択肢を持っており、現時点で全員の移籍が決まったわけではない。11月11日の交渉解禁後、各球団の評価や契約条件、選手本人の希望が具体的に明らかになっていく。
一方、2026年の61勝78敗4分という成績は、チーム再建が必要なことを示している。打率.223、431得点という攻撃面の課題に加え、先発投手陣の維持も重要だ。
2027年は新井貴浩監督の5年目。新しいコーチングスタッフと秋季キャンプでの若手育成が、チームの将来を左右する。
今後のカープを見極めるうえで注目したいのは、次の3点だ。
- 森下・坂倉・床田の最終的な決断と宣言残留の可能性。
- FAによる戦力変動を見据えた先発投手と中軸打者の補強。
- 新井監督と新コーチ陣による若手育成、得点力改善の成果。
主力の残留だけでも、若手の成長だけでも、2027年の上位進出は簡単ではない。FA交渉、編成改革、秋季キャンプでの育成を一体化できるか。広島東洋カープにとって、今オフは次の黄金期を築くための重要な分岐点になりそうだ。