井上拓真(いのうえ・たくま)は、神奈川県座間市出身のプロボクサーで、大橋ボクシングジムに所属している。2026年11月現在、プロ通算戦績は25戦23勝2敗(5KO)。元WBA世界バンタム級王者であり、現在はWBC世界バンタム級王者として世界の頂点に立つ実力者だ。1995年12月26日生まれで、兄は世界的なボクシングスターの井上尚弥、父は専属トレーナーを務める井上真吾である。
2013年のプロデビューから、東洋太平洋王座、WBC世界暫定王座、WBA世界王座、そしてWBC世界正規王座へと歩んできた拓真。2024年には堤聖也に敗れてWBA王座を失ったものの、2025年11月に那須川天心を破って世界王座に返り咲いた。さらに2026年には井岡一翔、那須川天心との試合を制し、WBC王座の2度目の防衛にも成功している。
【井上拓真の最新戦績】通算23勝2敗・5KOの実績とプロフィール

井上拓真の2026年最新プロ戦績は、23勝2敗0分(5KO)。プロデビューから25試合を経験し、敗北は2度だけという実績を残している。
世界ボクシング評議会(WBC)の公式選手プロフィールでも、23勝2敗、5KOと記録されている。KO率は21.74%。勝利の大半を判定で積み重ねている点が、戦績から読み取れる特徴だ。
井上拓真の基本プロフィール| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 井上拓真 |
| 読み方 | いのうえ・たくま |
| 生年月日 | 1995年12月26日 |
| 年齢 | 30歳(2026年11月現在) |
| 出身地 | 神奈川県座間市 |
| 所属 | 大橋ボクシングジム |
| プロデビュー | 2013年12月6日 |
| 通算戦績 | 25戦23勝2敗0分 |
| KO勝利数 | 5KO |
| 構え | オーソドックス |
| 現タイトル | WBC世界バンタム級王者 |
| 元タイトル | WBA世界バンタム級王者 |
| 父・トレーナー | 井上真吾 |
| 兄 | 井上尚弥 |
特に注目したいのは、KO数だけでは評価できない試合運びの安定感である。
拓真は一撃で相手を倒すことだけに依存せず、ラウンドごとのポイント獲得、相手の攻撃への対応、距離の調整などを組み合わせて勝利を重ねてきた。12ラウンドを通じて戦略を維持する能力も、世界タイトルを複数回獲得できた理由の一つだ。
【戦績の経緯】プロデビューから世界王者になるまでの歩み
井上拓真は2013年12月6日、福原辰弥との試合でプロデビューを果たした。デビュー戦は6ラウンド判定勝ち。以降も着実に勝利を重ね、プロ5戦目となる2015年7月にはOPBF東洋太平洋スーパーフライ級王座を獲得した。
キャリア初期からタイトル戦を経験していたことは、後の世界戦での落ち着いた試合運びにつながっている。単に勝ち星を増やすだけではなく、強豪との対戦を通して経験値を積み上げてきた。
井上拓真の主要試合・年代別戦績| 年月 | 対戦相手・出来事 | 結果・獲得タイトル |
|---|---|---|
| 2013年12月 | 福原辰弥 | 6回判定勝ち。プロデビュー |
| 2015年7月 | マーク・アンソニー・ヘラルド | 12回判定勝ち。OPBFスーパーフライ級王座獲得 |
| 2018年9月 | マーク・ジョン・ヤップ | 判定勝ち。WBC世界バンタム級挑戦権獲得 |
| 2018年12月 | ペッチ・CPフレッシュマート | 判定勝ち。WBC世界バンタム級暫定王座獲得 |
| 2019年11月 | ノルディーヌ・ウバーリ | 判定負け。WBC暫定王座陥落 |
| 2021年1月 | 栗原慶太 | 負傷判定勝ち。OPBFバンタム級王座獲得 |
| 2021年11月 | 和氣慎吾 | 判定勝ち。WBOアジア・パシフィックスーパーバンタム級王座獲得 |
| 2022年6月 | 古橋岳也 | 判定勝ち。日本・WBOアジア・パシフィック王座統一 |
| 2023年4月 | リボリオ・ソリス | 判定勝ち。WBA世界バンタム級王座獲得 |
| 2024年2月 | ジェルウィン・アンカハス | 9回KO勝ち。WBA王座初防衛 |
| 2024年5月 | 石田匠 | 判定勝ち。WBA王座2度目の防衛 |
| 2024年10月 | 堤聖也 | 判定負け。WBA王座陥落 |
| 2025年11月 | 那須川天心 | 判定勝ち。WBC世界バンタム級王座獲得 |
| 2026年5月 | 井岡一翔 | 判定勝ち。WBC王座初防衛 |
| 2026年9月 | 那須川天心 | 判定勝ち。WBC王座2度目の防衛 |
この経歴で大きな転換点となったのが、2019年11月のノルディーヌ・ウバーリ戦だ。
2018年12月にペッチ・CPフレッシュマートを破ってWBC世界バンタム級暫定王座を獲得した拓真は、翌年、正規王者ウバーリとの王座統一戦に臨んだ。しかし12ラウンド判定で敗れ、暫定王座を失った。
その後、2021年にOPBFバンタム級王座を獲得し、2021年から2022年にかけて地域タイトルや日本王座も獲得。再び世界王座を狙える位置まで戻ってきた。
2023年4月8日にはリボリオ・ソリスに12ラウンド判定で勝利し、WBA世界バンタム級王座を獲得。2018年の暫定王座に続く、2度目の世界王座獲得だった。
2024年にはアンカハスを9回KOで下すなど2度の防衛に成功したが、10月13日に堤聖也に判定負け。ここでWBA王座を失った。
それでも拓真は再び世界の頂点を目指し、2025年11月24日、那須川天心とのWBC世界バンタム級王座決定戦を制する。こうして3度目の世界タイトル獲得を実現した。
【世界戦の戦績とタイトル獲得歴】WBA王者からWBC王者へ
井上拓真のキャリアを語るうえで欠かせないのが、異なる時期にWBAとWBCの世界王座を獲得していることだ。
世界タイトルの獲得歴を整理すると、2018年のWBC暫定王座、2023年のWBA正規王座、2025年のWBC正規王座という流れになる。
獲得した主なタイトル- OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王座:2015年獲得。
- WBC世界バンタム級暫定王座:2018年12月獲得。
- OPBF東洋太平洋バンタム級王座:2021年獲得。
- WBOアジア・パシフィックスーパーバンタム級王座:2021年獲得。
- 日本スーパーバンタム級王座:2022年獲得。
- WBA世界バンタム級王座:2023年4月獲得。2度防衛。
- WBC世界バンタム級王座:2025年11月獲得。2026年11月現在の保持タイトル。
2023年のWBA世界バンタム級王座獲得は、拓真にとって大きなキャリアの節目だった。
元世界王者リボリオ・ソリスを相手に12ラウンドを戦い、3-0の判定で勝利。続くアンカハス戦では9回KO勝ちを収め、世界王者としての存在感を高めた。
しかし、3度目の防衛戦となった堤聖也戦では、相手の積極的な攻撃とプレッシャーに苦しみ、判定0-3で敗れた。これがプロ2敗目であり、WBA王座から陥落した試合でもある。
注目すべきなのは、敗戦後の再起だ。拓真は2025年11月24日のWBC王座決定戦で那須川天心を破り、再び世界王者となった。
WBCが公表した試合結果では、判定は116-112、116-112、117-111。3人のジャッジ全員が拓真を支持した。
2026年10月27日発表の日本ボクシングコミッションの世界ランキングでも、井上拓真はWBC世界バンタム級王者として掲載され、防衛回数は2度と記録されている。
【2026年最新】井岡一翔・那須川天心との2試合で見せた実力
2026年の井上拓真は、世界王者として重要な2試合を経験した。相手はいずれも知名度と実績を備えた強豪であり、王者としての真価が問われる試合だった。
2026年5月2日:井岡一翔に判定勝ち最初の防衛戦は、2026年5月2日に東京ドームで行われた井岡一翔とのWBC世界バンタム級タイトルマッチだった。
井岡は複数階級で世界王座を獲得してきた経験豊富な選手。長年の世界戦で培った距離感や試合運びを持つ相手との対戦は、拓真にとって大きな試金石となった。
試合は12ラウンド判定となり、拓真が3-0で勝利。公式の採点は118-108、119-107、120-106だった。これによりWBC王座の初防衛に成功した。
2026年9月27日:那須川天心との再戦に勝利2026年9月27日には、那須川天心との再戦がTOYOTA ARENA TOKYOで実現した。2025年11月の王座決定戦に続く対戦であり、WBC世界バンタム級王座の2度目の防衛戦だった。
試合は12ラウンドまで続き、拓真が判定3-0で勝利。採点は114-113、116-111、116-111だった。
この試合では7ラウンドに那須川の左ストレートを受けてダウンを喫する場面もあった。しかし、そこから立て直して最終的に勝利をつかんだ。
ダウンを奪われながらも試合を崩さず、判定で勝ち切ったことは、拓真の対応力と精神面の強さを示す結果となった。
単純な攻撃力だけでなく、試合中の状況変化に対応できることが、世界王者としての大きな武器になっている。
次戦はアンドリュー・カインとの指名試合が焦点2026年9月29日付の日刊スポーツの報道によると、次の防衛戦ではWBC世界バンタム級2位のシルバー王者、英国のアンドリュー・カインとの対戦が見込まれている。
大橋秀行会長は、那須川戦に続く2試合連続の指名試合になると説明。試合興行については当時未定で、2027年3月に日本で開催されるサウジアラビア主催興行が有力候補として報じられた。
また、拓真自身はスーパーバンタム級への転向も選択肢として考えていると報じられている。ただし、階級変更や次戦の日程・会場については正式な確定発表と区別して考える必要がある。
2026年11月現在、拓真の今後を左右する要点は、バンタム級での王座防衛を続けるのか、それともスーパーバンタム級で新たなタイトルを狙うのかという点にある。
【井上拓真と井上尚弥を比較】兄弟でも異なるボクシングスタイル
井上拓真について調べる読者の多くが気になるのが、兄・井上尚弥との違いだ。
2人は同じ神奈川県座間市出身で、父の井上真吾の指導を受け、大橋ボクシングジムに所属している。兄弟そろって世界のトップレベルで活躍している点も共通している。
井上拓真と井上尚弥の比較| 比較項目 | 井上拓真 | 井上尚弥 |
|---|---|---|
| 生年月日 | 1995年12月26日 | 1993年4月10日 |
| 続柄 | 弟 | 兄 |
| 所属ジム | 大橋ボクシングジム | 大橋ボクシングジム |
| 主な階級 | バンタム級 | スーパーバンタム級 |
| 2026年の主なタイトル | WBC世界バンタム級王者 | 世界4団体統一スーパーバンタム級王者 |
| プロ戦績 | 23勝2敗(5KO) | 33勝0敗(27KO) |
| ボクシングスタイル | 距離調整と対応力を生かした試合運び | 高い攻撃力と多彩な技術を備えたスタイル |
| 父・トレーナー | 井上真吾 | 井上真吾 |
井上尚弥は2026年5月2日の中谷潤人戦後、33戦33勝27KOという無敗の戦績を記録している。世界4団体統一王者として活躍する兄に対し、拓真はバンタム級を主戦場に世界王座を獲得してきた。
両者の違いとして目立つのが、KO数と試合の組み立て方だ。
尚弥は高い決定力を備え、KO勝ちを数多く積み重ねてきた。一方の拓真は、相手の特徴を把握しながら試合を組み立て、判定でも勝ち切る技術に強みを持つ。
ただし、KO数だけで両者の実力を比較するのは適切ではない。階級、対戦相手、試合展開、求められる戦術が異なるためだ。
拓真には拓真のボクシングがある。兄と同じように世界王者になったことだけでなく、WBA王座陥落後にWBC王座を獲得し、さらに2度の防衛を果たしたキャリアそのものが評価の対象となる。
【井上真吾トレーナーと大橋ジム】井上兄弟を支える指導体制
井上拓真の戦績を理解するうえで、父でありトレーナーでもある井上真吾の存在は欠かせない。
井上真吾は井上尚弥と拓真の父親であり、両選手の専属トレーナーを務めている。ホリプロの公式プロフィールでも、2人の息子を兄弟同時世界王者に育てた指導者として紹介されている。
井上真吾トレーナーの実績真吾は2014年にエディ・タウンゼント賞を受賞。その後もリングマガジンやWBC、WBAの年間最優秀トレーナー賞など、複数の権威ある賞を獲得してきた。
特に注目されるのが2025年の実績だ。2026年1月31日、米国のボクシング専門誌「ザ・リング」の年間表彰で、井上真吾が年間最優秀トレーナー賞を受賞した。
受賞理由として評価されたのは、井上尚弥の年間4度の世界王座防衛と、井上拓真のWBC世界バンタム級王座獲得をサポートした功績だった。また、2025年のWBC年間最優秀トレーナー賞も受賞している。
兄弟それぞれが異なる階級、異なる相手と戦うなかで、トレーニングや試合への準備を支えてきたことが国際的にも評価された形だ。
大橋ボクシングジムとの関係井上拓真が所属する大橋ボクシングジムは、神奈川県横浜市を拠点とする名門ジムである。
井上兄弟は同ジムを拠点に世界を目指してきた。父の真吾も2012年に大橋ジムへ移籍し、兄弟の指導に携わっている。
世界タイトルを獲得するには、選手本人の能力だけでなく、対戦相手の分析、フィジカル面の準備、コンディション管理、試合ごとの戦略など、多方面からのサポートが欠かせない。
拓真が2019年の敗戦や2024年のWBA王座陥落を経て、再び世界王者に返り咲いた背景には、こうした継続的な競技環境も関係している。
【プロの結論】井上拓真の強さを判断する3つのポイント井上拓真の実力を正しく評価するなら、次の3つの観点が重要になる。
- 世界戦での経験値:暫定王座、WBA正規王座、WBC正規王座を経験しており、王座獲得だけでなく陥落後の再起も経験している。
- 判定で勝ち切る技術:25戦23勝のうちKO勝ちは5試合。相手との距離や試合の流れをコントロールする能力が強みとして表れている。
- 敗戦からの修正力:ウバーリ戦、堤戦での敗北を経て、再び世界王座を獲得。2026年には那須川との再戦でもダウンから立て直した。
特に重要なのは、KO数だけで評価を決めないことだ。世界タイトル戦では、相手の攻撃を抑えながら有効打を重ね、12ラウンドを通して勝利する能力も求められる。
拓真の23勝2敗という数字は、単なる勝率以上に、世界トップレベルの選手との対戦を繰り返してきた結果として見るべきだろう。
【井上拓真の戦績】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:井上拓真のプロ通算戦績は何勝何敗ですか?
A1:2026年11月現在、25戦23勝2敗0分です。KO勝ちは5回で、WBC世界バンタム級王者として活動しています。
Q2:井上拓真のKO数はいくつですか?
A2:プロ通算5KOです。KO率はWBC公式プロフィールで21.74%とされています。
Q3:井上拓真は現在どこの世界チャンピオンですか?
A3:現在はWBC世界バンタム級王者です。2025年11月24日に那須川天心を破って王座を獲得し、2026年5月の井岡一翔戦、同年9月の那須川天心との再戦で2度防衛しています。
Q4:井上拓真はWBA世界バンタム級王者だったのですか?
A4:はい。2023年4月8日にリボリオ・ソリスを破ってWBA世界バンタム級王座を獲得しました。その後、アンカハスと石田匠を相手に2度防衛しましたが、2024年10月13日に堤聖也に敗れて王座から陥落しました。
Q5:井上拓真と井上尚弥は兄弟ですか?
A5:はい。井上尚弥が兄、井上拓真が弟です。2人とも神奈川県座間市出身で、大橋ボクシングジムに所属しています。
Q6:井上拓真のトレーナーは誰ですか?
A6:父親の井上真吾です。真吾は尚弥と拓真の指導を担当し、2025年にはザ・リングの年間最優秀トレーナー賞とWBC年間最優秀トレーナー賞を受賞しました。
Q7:井上拓真の次の試合はいつですか?
A7:2026年11月現在、次戦の正式な日程・会場は未確定です。2026年9月の報道では、WBCの指名挑戦者アンドリュー・カインとの対戦が見込まれており、2027年の試合に向けた動向が注目されています。
Q8:井上拓真はスーパーバンタム級に転向する可能性がありますか?
A8:あります。2026年9月の報道では、本人もスーパーバンタム級への転向を選択肢として考えていると伝えられました。ただし、正式な転向決定とは区別する必要があります。
井上拓真の2026年11月現在のプロ戦績は、25戦23勝2敗(5KO)。元WBA世界バンタム級王者であり、現在はWBC世界バンタム級王者として2度の防衛を果たしている。
2013年のプロデビューから、OPBF王座、WBC暫定王座、WBA世界王座、WBC世界正規王座へと実績を積み重ねてきた。ウバーリ戦や堤聖也戦での敗北も経験したが、そこから再起して世界王者に返り咲いたことは、拓真のキャリアを語るうえで欠かせない。
兄・井上尚弥が圧倒的なKO実績で世界を驚かせている一方、拓真は技術、対応力、試合運びを武器に独自のキャリアを築いている。父・井上真吾の指導と大橋ボクシングジムの環境も、その歩みを支えてきた。
今後の注目点は、アンドリュー・カインとの指名試合、WBC王座のさらなる防衛、そしてスーパーバンタム級への階級変更の可能性だ。
井上拓真の強さは、KO数だけでは測れない。敗北を経験しても世界王座に戻り、強豪との再戦でも勝ち切る。その積み重ねこそが、2026年現在の井上拓真の最大の実績である。
主な事実確認資料: 日本ボクシングコミッション、WBC公式プロフィール、ホリプロ公式プロフィール、大橋ボクシングジム、日刊スポーツ、スポーツナビの試合結果。