読売ジャイアンツの4番打者は、単なる打順の4番目ではない。球団の歴史を象徴し、勝負どころで得点を生み出す主砲として、長年にわたり特別な役割を担ってきた。川上哲治、長嶋茂雄、王貞治、原辰徳、松井秀喜、岡本和真。時代ごとに異なるスター選手が、その重責を背負っている。
2025年終了時点で、巨人の歴代4番打者は96人。最多4番先発出場は川上哲治の1,658試合、4番時の最多本塁打は王貞治の392本、最多打点も川上哲治の1,130打点だ。そして2026年、岡本和真のメジャー挑戦によって新たな転換期を迎えた巨人では、ボビー・ダルベックが4番の中心を担った。2026年シーズンの起用実績まで含め、歴代の記録と新旧主砲の系譜を整理する。
【2026年最新】巨人の4番は誰?岡本和真の後継者と現在の起用状況

2026年シーズンの巨人で4番の中心を担ったのは、外国人内野手のボビー・ダルベックだ。
2026年の4番打者別の起用データでは、ダルベックが119試合で最多。2番手は大城卓三の18試合、続いてT.キャベッジが5試合、岸田行倫が1試合となっている。
岡本和真の後任をめぐって複数の選手が候補に挙がったものの、シーズンを通じた起用実績を見ると、ダルベックが実質的な新4番として定着したことが分かる。
2026年の4番打者別成績2026年の4番先発時の成績は次のとおりだ。
- ボビー・ダルベック:119試合、打率.249、22本塁打、71打点
- 大城卓三:18試合、打率.233、1本塁打、6打点
- T.キャベッジ:5試合、打率.111、0本塁打、0打点
- 岸田行倫:1試合、打率.500、1本塁打、2打点
ダルベックは4番で119試合に先発し、22本塁打、71打点を記録。4番としての出場数では他の選手を大きく引き離した。
なお、NPBの2026年シーズン終了時点の個人成績では、ダルベックは135試合、打率.252、25本塁打、81打点。こちらは打順を問わないシーズン全体の成績であり、4番での成績とは集計対象が異なる。
阿部監督が考えていた4番候補はリチャードだったのか2026年の開幕前には、リチャードの4番起用にも関心が集まった。
2026年3月1日、スポーツニッポンに掲載された江川卓氏の発言では、岡本が抜けた巨人の4番問題について、阿部慎之助監督がリチャードを4番に育てようとしているのではないか、という見方が紹介された。
江川氏はリチャードの長打力を評価する一方、速球への対応を課題として挙げていた。これは江川氏による阿部監督の狙いについての推測であり、監督本人が公表した確定的な起用方針ではない。
実際の2026年シーズンでは、ダルベックが119試合で4番を務めている。リチャードのような長打力型の選手を育成する構想と、シーズンを通じて4番を固定する実際の起用は、分けて考える必要がある。
【歴代96人】巨人の4番打者一覧と時代ごとの変遷
巨人の歴代4番打者を理解するには、まず「96人」という数字の意味を知っておきたい。
この人数は、巨人で初めて4番打者として先発出場した選手を順番に数えたものだ。シーズンごとの4番担当者数や、公式に任命された4番の人数ではない。
1936年に始まった球団の歴史のなかで、短期間だけ4番を経験した選手もいれば、10年以上にわたって打線の中心を担った選手もいる。
1936~1950年代:球団創設期から川上哲治、長嶋茂雄へ初代の4番打者は永沢富士雄。1936年7月1日の名古屋戦で先発4番を務めた。
この時代には中島治康、川上哲治、青田昇らが登場する。なかでも川上は1939年から1958年まで長く4番を務め、球団史に残る記録を打ち立てた。
1958年には長嶋茂雄が4番に登場。川上から長嶋へと、巨人を代表するスター打者の系譜がつながっていく。
1960~1970年代:王貞治と長嶋茂雄の黄金時代1962年から1980年まで4番を務めた王貞治は、巨人の主砲を象徴する存在となった。4番での本塁打392本は、2025年終了時点でも歴代最多だ。
長嶋も1,460試合で4番先発を経験し、314本塁打、1,075打点を記録。王と長嶋が並び立った時代は、巨人の4番の歴史を語るうえで欠かせない。
1980~2000年代:原辰徳、松井秀喜、阿部慎之助へ1982年に4番として登場した原辰徳は、1,066試合で4番先発を経験。255本塁打、729打点を記録した。
その後は松井秀喜が1995年から2002年にかけて4番を担当。1990年代後半から2000年代初頭の巨人打線を象徴する存在となった。
2000年代には小久保裕紀、李承燁、高橋由伸、阿部慎之助らも4番を経験。2008年から2011年にはアレックス・ラミレスが主砲として活躍し、連続4番先発出場496試合という記録を残している。
2010年代~2025年:岡本和真が担った新しい主砲像2010年代以降は、村田修一、長野久義、坂本勇人らが4番を経験した。
その後、2018年6月2日のオリックス戦で初めて4番先発を務めた岡本和真が、巨人の新たな中心打者として定着。2025年終了時点で4番先発938試合、229本塁打、657打点を記録している。
2025年には吉川尚輝、T.キャベッジ、増田陸、大城卓三、岸田行倫らも4番に起用された。岡本の離脱などもあり、複数の選手を試すシーズンとなった。
歴代96人の名前を年代順に整理1936~1950年代(第1代~第24代)
永沢富士雄、伊藤健太郎、中島治康、筒井修、前川八郎、水原茂、川上哲治、青田昇、木暮力三、中村政美、須田博、近藤貞雄、川畑博、黒沢俊夫、小松原博喜、平山菊二、宇野光雄、南村不可止、手塚明治、宮本敏雄、樋笠一夫、柏枝文治、藤尾茂、与那嶺要。
1958~1970年代(第25代~第44代)
長嶋茂雄、坂崎一彦、国松彰、王貞治、池沢義行、森昌彦、相羽欣厚、吉田勝豊、田中久寿男、高倉照幸、森永勝也、柴田勲、末次利光、柳田俊郎、張本勲、淡口憲治、D.ジョンソン、J.シピン、山本功児、R.ホワイト。
1980~1990年代(第45代~第67代)
中畑清、G.トマソン、松原誠、原辰徳、R.スミス、W.クロマティ、呂明賜、駒田徳広、吉村禎章、M.ブラウン、P.ブラッドリー、L.モスビー、J.バーフィールド、岡崎郁、大久保博元、落合博満、広沢克己、松井秀喜、S.マック、清原和博、石井浩郎、高橋由伸、D.マルティネス。
2000~2025年(第68代~第96代)
R.ペタジーニ、小久保裕紀、李承燁、二岡智宏、阿部慎之助、小笠原道大、A.ラミレス、長野久義、村田修一、J.ロペス、J.ボウカー、L.アンダーソン、F.セペダ、大田泰示、坂本勇人、中井大介、亀井善行、ギャレットJ.、L.クルーズ、C.マギー、A.ゲレーロ、岡本和真、丸佳浩、中田翔、吉川尚輝、T.キャベッジ、大城卓三、増田陸、岸田行倫。
なお、2026年にはボビー・ダルベックが第97代として加わっている。したがって、2025年終了時点の96人という数字と、2026年シーズンの歴代97人という数字は矛盾しない。
【成績比較】巨人の歴代4番は誰が最強?本塁打・打点・打率ランキング
歴代4番の実績を比較するときに重要なのは、選手の通算成績と4番で先発したときの成績を区別することだ。
以下の数字は、歴代4番打者データにおける4番先発時の集計。現役時代の全試合を対象とした通算成績ではない。
| 選手 | 4番先発試合 | 本塁打 | 打点 | 打率 | 主な記録・特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 川上哲治 | 1,658 | 162 | 1,130 | .317 | 最多試合・最多打点 |
| 長嶋茂雄 | 1,460 | 314 | 1,075 | .314 | 歴代2位の4番先発試合数 |
| 王貞治 | 1,231 | 392 | 1,009 | .315 | 4番時の最多本塁打 |
| 原辰徳 | 1,066 | 255 | 729 | .279 | 1,000試合超の4番先発 |
| 岡本和真 | 938 | 229 | 657 | .274 | 2018年から主軸を担当 |
| A.ラミレス | 511 | 139 | 407 | .308 | 連続4番先発496試合 |
| 阿部慎之助 | 505 | 97 | 343 | .287 | 捕手としても4番を担当 |
| 松井秀喜 | 470 | 138 | 349 | .322 | 100試合以上の選手で高い打率 |
| ボビー・ダルベック(2026年) | 119 | 22 | 71 | .249 | 2026年の最多4番起用 |
| 大城卓三(2026年) | 18 | 1 | 6 | .233 | 2026年の4番起用 |
4番での本塁打数では、王貞治が392本でトップ。2位の長嶋茂雄は314本、3位の原辰徳は255本、4位の岡本和真は229本となる。
特に王は1,231試合で392本塁打を放っており、4番としての長期的な安定感と本塁打生産力を兼ね備えていた。
岡本も938試合で229本塁打を記録しており、歴代上位に食い込む実績を残した。メジャー移籍によって巨人での数字は一つの区切りを迎えたが、今後も歴代4番を比較する際の重要な基準になる。
歴代4番の打点ランキング打点では川上哲治が1,130打点でトップ。長嶋茂雄が1,075打点、王貞治が1,009打点で続く。
注目したいのは、王の本塁打数が最多である一方、打点の最多記録は川上が持っている点だ。4番打者の評価は本塁打だけでは決まらない。走者を置いた場面での安打や長打、チャンスを確実に得点へ変える能力も問われる。
歴代4番の打率ランキング打率については、出場試合数を考慮する必要がある。例えば山本功児は4番での打率.379、駒田徳広は.376を記録しているが、それぞれ4番先発は7試合、34試合にとどまる。
一方、100試合以上4番で先発した選手に絞ると、松井秀喜の.322が目立つ。続いて川上哲治の.317、王貞治の.315、張本勲の.315、長嶋茂雄の.314などが並ぶ。
打率ランキングだけを見て最強の4番を決めるのではなく、試合数、打数、本塁打、打点を組み合わせて評価することが大切だ。
巨人の連続4番先発記録はラミレスの496試合もう一つ注目したいのが、連続4番先発出場記録だ。
この記録の保持者はアレックス・ラミレス。2008年から2011年にかけて、496試合連続で4番先発出場を続けた。
4番はチーム事情によって頻繁に入れ替わることもある打順だ。長期間にわたって固定されるには、打撃成績だけでなく、故障への対応、コンディション維持、監督からの信頼も必要になる。
ラミレスの記録は、巨人が長期的に主砲を固定できた時代を象徴する数字でもある。
【岡本和真のメジャー挑戦】巨人の4番に残した実績と後継者への影響
2026年の巨人の4番問題を語るうえで、岡本和真のメジャー挑戦は最大の転換点だ。
岡本は2015年に智弁学園高校から巨人へ入団。2018年6月2日のオリックス戦で初めて4番先発を務め、その後、長期にわたって打線の中心を担った。
2025年終了時点の4番先発時の通算成績は、938試合、3,495打数、959安打、229本塁打、657打点、打率.274。巨人の歴代4番のなかでも、十分な試合数と高い長打力を残している。
2025年は4番で66試合、打率.325岡本は2025年シーズン、4番で66試合に先発し、240打数78安打、15本塁打、49打点、打率.325を記録した。
同年は左肘の負傷によって出場試合数が69試合にとどまったが、出場した試合では高い打撃力を示していた。MLBの契約発表資料でも、2025年の打率.327、15本塁打、49打点というシーズン全体の成績が紹介されている。
4番先発時の打率.325とシーズン全体の打率.327は、集計対象が違うため数字に差がある。両者を混同しないことが重要だ。
2026年1月、トロント・ブルージェイズとの契約が正式発表2026年1月5日、トロント・ブルージェイズは岡本との4年契約を正式発表した。契約総額は6,000万ドルで、契約ボーナス500万ドルを含む内容だった。
その後、1月7日には読売ジャイアンツも岡本のブルージェイズとの契約合意を公式に発表。NPBのポスティングによる移籍に伴う自由契約選手公示にも、2026年1月19日付で岡本の移籍が掲載された。
岡本の移籍は、巨人にとって単なる主力選手の退団ではない。長年固定されていた4番を再構築し、次の中心打者を育てる必要が生じたという点で、打線全体の編成に影響する出来事だった。
岡本の後継者に必要な条件とは岡本の後任を選ぶ際には、単純な本塁打数だけでなく、次の3点が重要になる。
- 長打力:相手バッテリーに対して長打の脅威を与えられること。
- 打率と出塁能力:三振だけで終わらず、安打や四球で得点機会をつくれること。
- 継続的な出場能力:シーズンを通して4番を任せられる体力と安定感があること。
2026年のダルベックは4番で22本塁打、71打点を記録し、長打力という点で一定の役割を果たした。一方、打率は.249。岡本の2025年の4番時の打率.325と比較すると、打撃の安定性には違いがある。
4番を引き継ぐということは、単に本塁打を打つことではない。打線の中心として相手投手に警戒され、チームの得点力を支え続けることが求められる。
【プロの結論】巨人の4番の歴史から見える主砲の条件と2027年への展望
巨人の歴代4番を振り返ると、時代ごとに主砲に求められる役割が変わってきたことが分かる。
川上哲治は長期間にわたる安定感と打点で記録を残し、王貞治は圧倒的な本塁打数で歴史をつくった。長嶋茂雄は勝負強さと存在感を兼ね備え、原辰徳、松井秀喜、阿部慎之助らもそれぞれの時代の中心打者となった。
岡本和真は現代的な長打力と安定した打撃を持つ4番だった。その後を受けたダルベックは、2026年に119試合で4番を務め、主軸としての出場機会を確保した。
4番の評価は本塁打だけでは決まらない巨人の4番を評価する場合、次のような判断基準が有効だ。
- 長期的な実績を重視するなら、4番先発試合数と通算打点を見る。
- 一発の破壊力を比較するなら、4番時の本塁打数を見る。
- 打撃の安定性を判断するなら、打率だけでなく打数と試合数も確認する。
- チームへの継続的な貢献を見るなら、連続4番先発記録や複数年の成績を見る。
特に注意したいのは、1試合だけ4番を務めた選手と、500試合以上4番を任された選手を、単純な打率だけで比較しないことだ。少ない打数での高打率は参考記録として扱い、長期的な成績と分けて評価する必要がある。
2027年以降は固定か、複数選手による競争か2026年の起用実績からは、ダルベックが新4番の中心だったことが明確になった。ただし、4番の座を長期的に確保するには、打率や出塁率の改善も重要になる。
大城卓三やT.キャベッジらの起用実績もあり、チームには複数の選択肢が存在する。若手の成長や外国人選手の補強状況によって、打線の組み方が変化する可能性もある。
2027年以降の巨人にとって重要なのは、岡本の数字をそのまま再現する選手を探すことではない。現在の戦力で最も得点を生み出せる打順を構築し、その中心を担える選手を見極めることだ。
【巨人の4番の歴代記録と2026年最新情報】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:巨人の歴代4番打者は全部で何人ですか?
A1:2025年終了時点では96人です。1936年に4番を務めた永沢富士雄から、2025年に初めて4番先発した岸田行倫までが対象です。2026年にはボビー・ダルベックが第97代として加わっています。
Q2:巨人の歴代4番で最も多く本塁打を打った選手は誰ですか?
A2:王貞治です。4番先発時の本塁打数は392本で歴代最多です。2位は長嶋茂雄の314本、3位は原辰徳の255本です。
Q3:巨人の4番で最多試合数と最多打点を記録した選手は誰ですか?
A3:どちらも川上哲治です。4番先発1,658試合、1,130打点という歴代最多記録を持っています。
Q4:巨人の連続4番先発記録は何試合ですか?
A4:アレックス・ラミレスの496試合です。2008年から2011年にかけて記録しました。
Q5:2026年の巨人の4番は誰ですか?
A5:2026年シーズンの4番最多起用はボビー・ダルベックです。4番で119試合に先発し、打率.249、22本塁打、71打点を記録しました。
Q6:岡本和真はなぜ巨人の4番を離れたのですか?
A6:2026年1月にポスティング制度を利用してトロント・ブルージェイズとの契約が正式発表されたためです。4年契約でメジャーリーグに挑戦することになり、巨人は新たな4番を必要としました。
巨人の4番は、1936年の永沢富士雄から始まり、2025年終了時点で96人に受け継がれてきた。川上哲治の1,658試合と1,130打点、王貞治の392本塁打、長嶋茂雄の1,460試合など、歴代記録にはそれぞれの時代を代表する主砲の実績が刻まれている。
岡本和真は938試合で4番を務め、229本塁打、657打点を記録した後、2026年にブルージェイズへ移籍した。その穴を埋める存在として、2026年はボビー・ダルベックが119試合で4番を務め、22本塁打、71打点を残している。
歴代の数字を比較すると、巨人の4番に必要なのは一発の長打力だけではない。打率、打点、継続性、そして勝負どころでの存在感がそろってこそ、球団を代表する主砲として評価される。
次の時代の4番が誰になるのか。岡本和真が残した実績を基準に、ダルベックをはじめとする選手たちがどのような成長を見せるのか。2027年以降の巨人打線を読み解くうえでも、歴代4番の記録は欠かせない判断材料となる。
主なデータ参照資料
- 歴代4番打者の試合数・本塁打・打点・打率:my favorite giants、巨人データ。
- 2026年の4番起用実績:my favorite giants、NPB個人年度別成績。
- 岡本和真の移籍:読売ジャイアンツ公式発表、NPB公示、MLB公式発表。
- リチャードの4番候補に関する評論:スポニチアネックス、2026年3月1日。
参照記録: