2025年12月31日に放送された第76回NHK紅白歌合戦は、前年の低迷から数字を持ち直しました。
ビデオリサーチが2026年1月2日に公表した関東地区の平均世帯視聴率は、次のとおりです。
第76回NHK紅白歌合戦・最新視聴率

第1部・19:20~20:5530.8%
第2部・21:00~23:4535.2%
個人視聴率
23.2%
第1部・前年比+2.1pt
26.4%
第2部・前年比+3.0pt
出典:ビデオリサーチ調べ、関東地区。番組平均視聴率。
注目すべきは、第2部が35%台に回復したことです。
2024年の第75回は第2部32.7%で、1989年に2部制が導入されて以降、過去2番目に低い水準でした。2025年はそこから2.5ポイント上昇し、2022年の35.3%以来、3年ぶりに35%台を記録しました。
第1部も29.0%から30.8%へ上昇。2023年、2024年と続いた30%割れから抜け出しています。
ただし、2026年11月6日時点で、第77回の放送結果はまだ出ていません。したがって、2025年放送分が2026年現在の最新公表データです。
【前年比・過去6年間】紅白歌合戦の視聴率推移を比較
紅白の視聴率を正しく評価するには、単年の数字だけでなく、複数年の変化を見る必要があります。
特に2020年以降は、コロナ禍による生活環境の変化、テレビ以外の視聴手段の普及、音楽ファンの多様化など、番組を取り巻く条件が変わってきました。
2020~2025年の世帯・個人視聴率一覧以下はビデオリサーチの関東地区データをもとに整理したものです。
出典:ビデオリサーチ、関東地区。各年の番組平均視聴率。
2024年と2025年を比べると、改善幅は明確です。
- 第1部の世帯視聴率:29.0%から30.8%へ、1.8ポイント上昇。
- 第2部の世帯視聴率:32.7%から35.2%へ、2.5ポイント上昇。
- 第1部の個人視聴率:21.1%から23.2%へ、2.1ポイント上昇。
- 第2部の個人視聴率:23.4%から26.4%へ、3.0ポイント上昇。
世帯・個人の両方で上昇しているため、単にテレビをつけている世帯が増えただけではありません。実際に視聴した個人の割合も改善しています。
一方、2020年の第2部40.3%と比較すると、2025年は5.1ポイント低い数字です。
したがって、2025年の結果は「視聴率が完全復活した」というより、長期低下の流れから一度持ち直した局面と捉えるのが適切です。
【歴代視聴率ランキング】紅白の最高記録は81.4%!
紅白歌合戦の歴史を振り返ると、現在とは比較にならないほど高い数字を記録していた時代があります。
ビデオリサーチの歴代データでは、関東地区の最高記録は1963年の第14回です。
紅白歌合戦の歴代高視聴率ランキング特に高い記録として知られるのは、次の年度です。
1位 1963年・第14回81.4%
歴代最高記録・関東地区
2位 1972年・第23回
80.6%
3位 1962年・第13回
80.4%
4位 1984年・第35回
78.1%
5位 1965年・第16回
78.1%
6位 1971年・第22回
78.1%
出典:ビデオリサーチの歴代視聴率記録をもとに整理。同率順位を含む。
1963年の81.4%は、単なる音楽番組の人気を超えた記録です。
当時は現在のような動画配信サービスやSNSがなく、テレビが家庭の主要な娯楽でした。大みそかに家族で紅白を見るという習慣が、番組の高視聴率を支えていた背景にあります。
1989年の2部制導入が比較の分岐点紅白の視聴率を比較するうえで、見落とせないのが1989年です。
この年から番組が第1部・第2部の2部制となり、放送時間や番組構成が変わりました。
そのため、1960~1980年代の単一番組としての視聴率と、現在の第2部の視聴率を単純に比較することには注意が必要です。
現在の第2部35.2%を歴代最高81.4%と並べるだけでは、番組の人気や視聴環境の変化を正確に評価できません。
2000年代以降は40%台が中心に2000年代に入ると、紅白の第2部は40%前後で推移するようになります。
1998年には57.2%という高い記録もありましたが、その後は低下傾向が目立ちました。
2013年には44.5%を記録したものの、2019年は37.3%、2020年は40.3%、2021年は34.3%と変動しています。
2023年には31.9%となり、当時の過去最低を更新。2024年も32.7%にとどまりました。
そして2025年の35.2%は、そうした低迷期からの回復を示す数字です。
【世帯視聴率・個人視聴率】数字の違いを正しく理解する
紅白の視聴率ニュースを読む際、混同しやすいのが世帯視聴率と個人視聴率です。
同じ放送でも数値が異なるため、記事やランキングによって数字が違うように感じることがあります。
世帯視聴率とは?世帯視聴率は、調査対象となるテレビ所有世帯のうち、何%の世帯で番組が視聴されていたかを示す数字です。
例えば世帯視聴率35.2%なら、調査対象世帯の35.2%で、その時間帯に番組が視聴されていたことを意味します。
家族3人で見ていても、1世帯として集計されます。
個人視聴率とは?個人視聴率は、調査対象となる個人のうち、何%が番組を視聴していたかを示します。
2025年の第2部は26.4%でした。
世帯視聴率35.2%と個人視聴率26.4%は、測定対象が異なるため、どちらかが間違っているわけではありません。
関東地区のデータが注目される理由紅白の視聴率ニュースでは、ビデオリサーチの関東地区データが頻繁に使用されます。
ビデオリサーチは、関東地区では2,700世帯を対象にテレビ視聴状況を調査しています。
ただし、関東地区の結果が全国すべての地域の視聴傾向と完全に一致するわけではありません。
実際に2025年の第2部世帯視聴率は、関東地区35.2%に対し、関西地区34.4%でした。地域によって数字には違いがあります。
リアルタイム視聴率と総合視聴率の違いもう一つ重要なのが、リアルタイム視聴率とタイムシフト視聴率です。
ビデオリサーチでは、放送中にテレビで見るリアルタイム視聴と、録画して後から見るタイムシフト視聴を区別しています。
両方を合わせ、重複視聴を除いたものが総合視聴率です。
2025年の第76回では、次の結果も公表されました。
- 第1部の個人総合視聴率:24.9%
- 第2部の個人総合視聴率:28.0%
- 第1部の世帯総合視聴率:33.1%
- 第2部の世帯総合視聴率:37.3%
第2部の世帯視聴率はリアルタイム35.2%ですが、録画視聴も含めると総合視聴率は37.3%になります。
ここで注意したいのは、リアルタイム視聴率とタイムシフト視聴率を単純に足せば総合視聴率になるわけではないことです。
同じ人がリアルタイムと録画の両方で見ている場合、重複分は除外されます。
また、タイムシフト視聴率は放送後168時間以内の録画再生を対象としており、NHK ONEなどのインターネット配信は含みません。
【NHK ONEの再生回数】テレビ視聴率だけでは見えない紅白人気
2025年の第76回紅白で特に注目されたのが、インターネット配信の利用状況です。
NHKは2026年1月9日、総合テレビの視聴人数や総合視聴率とともに、NHK ONEの再生回数を公表しました。
第76回紅白・NHK ONE再生回数749万回
2025年12月31日の同時配信と、2026年1月7日までの見逃し配信の合計。
この749万回は、2025年10月のNHK ONEサービス開始後に配信された番組の中で最多でした。
テレビ以外での視聴も大きな規模にNHKが公表したビデオリサーチの推計によると、リアルタイム視聴とタイムシフト視聴を合わせた総合テレビの視聴人数は、次の結果でした。
- 第1部:4,921.8万人
- 第2部:5,690.5万人
これは全国32地区で、番組を1分以上視聴した人の推計値です。
視聴率の数値だけでなく、実際にどれだけの人が番組に接触したかを考える際に参考になるデータです。
749万回は749万人が見たという意味ではないここは特に誤解されやすい部分です。
749万回はユニーク視聴者数ではなく、再生回数です。同じ人が複数回再生すれば、その回数も反映されます。
また、以前のNHKプラスではユニーク・ブラウザ数が公表されていましたが、NHK ONEでは再生回数という別の指標に変更されました。
そのため、以前のNHKプラスの数字と749万回をそのまま比較することはできません。
2026年のNHK ONEはどう変わった?NHK ONEは2025年10月1日に始まったインターネットサービスです。
テレビ番組の同時配信や見逃し配信などを提供しています。
2026年10月1日には、従来の番組配信アプリ「NHKプラス」の名称も「NHK ONE」に統一されました。
つまり、2026年現在はサービス名とアプリ名がそろい、テレビ放送とインターネット配信を利用するための窓口が整理されています。
【紅白歌合戦の視聴率低下の理由】なぜ以前ほど数字が伸びないのか?
紅白の視聴率低下には、番組の出演者や演出だけでは説明できない構造的な変化があります。
1. テレビ以外の娯楽が増えたかつては大みそかの夜に家族でテレビを見ることが、年末の代表的な過ごし方でした。
現在は動画配信サービス、音楽配信、SNS、ゲーム、インターネット生配信など、視聴者の選択肢が増えています。
特に若い世代は、好きなアーティストの出演時間だけを見る、後から配信で確認するなど、番組全体を通して視聴するとは限らなくなっています。
これは紅白だけでなく、長時間のテレビ特番全体に関係する変化です。
2. 音楽の好みが細分化した紅白は幅広い世代に向けた番組です。
演歌、J-POP、アイドル、ロック、K-POPなど、異なるジャンルの歌手が同じ番組に出演します。
一方、音楽を聴く環境は個人ごとに細分化しています。
自分の好きなジャンルやアーティストだけを選んで楽しめる時代になり、幅広い出演者を一度に見る大型番組の視聴習慣は変化しています。
これは番組にとって難しい課題です。
特定の世代に合わせすぎれば別の世代が離れ、幅広さを優先すれば熱心なファンが物足りなさを感じる可能性があります。
3. 番組の長時間化と構成の問題第76回は午後7時20分から午後11時45分までの放送でした。
長時間番組では、視聴者が最後まで見続けるかどうかが数字に影響します。
2024年の第74回については、日刊スポーツの番組分析で、中継や収録の多さ、番組全体の盛り上がりの山が見えにくかった点などが指摘されました。
また、出演者の多様化だけでは視聴率の上昇につながらないという問題も浮かび上がっています。
ただし、こうした番組構成上の課題だけを視聴率低下の原因と断定することはできません。視聴者の生活習慣やメディア環境の変化も重なっています。
4. 2025年は回復したが、継続的な上昇かはまだ判断できない2025年の第76回は、世帯・個人の両方で前年比を上回りました。
特に第2部の個人視聴率は26.4%で、前年の23.4%から3.0ポイント上昇しています。
さらにNHK ONEの再生回数も749万回となり、テレビ放送と配信の両方で存在感を示しました。
ただし、1年分の結果だけで紅白人気が長期的に回復したと判断するのは早計です。
今後はテレビのリアルタイム視聴率だけでなく、録画視聴、見逃し配信、総合視聴率を含めた評価が必要になります。
【プロの結論】紅白の人気は視聴率だけで判断できない
紅白歌合戦の視聴率を分析するとき、最も大切なのは、数字の意味を分けて考えることです。
2025年の第76回は、第1部30.8%、第2部35.2%という世帯視聴率を記録しました。前年比で明確な改善があり、個人視聴率も上昇しています。
一方で、NHK ONEの749万回再生という数字は、テレビのリアルタイム視聴率とは別の視聴行動を表しています。
今後、紅白の人気を評価するなら、次の3つを押さえておくと判断しやすくなります。
- テレビでの集客力を知りたい人:世帯視聴率と個人視聴率を見る。
- 放送後の視聴も含めて評価したい人:タイムシフト視聴率と総合視聴率を見る。
- ネット配信での人気を知りたい人:NHK ONEの再生回数や視聴人数を見る。
紅白の価値は、テレビの前に何世帯が集まったかだけでは測れません。家族とリアルタイムで楽しむ人も、好きな歌手の場面を後から見る人も、番組を支える視聴者です。
【NHK紅白歌合戦の視聴率】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年最新の紅白歌合戦の視聴率は何%ですか?
2026年11月現在の最新公表データは、第76回(2025年12月31日放送)のものです。関東地区の世帯視聴率は第1部30.8%、第2部35.2%でした。第77回の2026年放送分の視聴率は、まだ発表されていません。
Q2:2025年の紅白歌合戦は前年より視聴率が上がりましたか?
はい。世帯視聴率は第1部が1.8ポイント、第2部が2.5ポイント上昇しました。個人視聴率も第1部で2.1ポイント、第2部で3.0ポイント上昇しています。
Q3:紅白歌合戦の歴代最高視聴率は何%ですか?
1963年の第14回に記録した81.4%です。ビデオリサーチの関東地区データで、歴代最高記録として知られています。
Q4:第1部と第2部ではどちらの視聴率が高いですか?
近年は第2部のほうが高い傾向です。2025年も第1部30.8%に対し、第2部35.2%でした。第2部は午後9時から始まり、番組の後半に当たります。
Q5:世帯視聴率と個人視聴率は何が違いますか?
世帯視聴率はテレビを視聴している世帯の割合、個人視聴率は調査対象となる個人の割合です。2025年の第2部は世帯35.2%、個人26.4%でした。
Q6:NHK ONEの749万回再生は視聴者数ですか?
いいえ。749万回は同時配信と見逃し配信を合わせた再生回数です。ユニーク視聴者数ではなく、同じ人による複数回の再生も含みます。
Q7:紅白歌合戦の視聴率は回復していますか?
2025年は前年より上昇し、世帯・個人の両方で改善しました。ただし、2020年の第2部40.3%には届いていません。長期的な回復かどうかは、今後の放送結果も含めて判断する必要があります。
2026年11月現在、NHK紅白歌合戦の最新視聴率は、第76回(2025年放送)の第1部30.8%、第2部35.2%です。
前年と比較すると、第1部は1.8ポイント、第2部は2.5ポイント上昇。個人視聴率も改善し、2023年・2024年の低迷から回復する結果となりました。
さらにNHK ONEでは749万回の再生を記録。テレビの視聴率だけでは捉えきれない、配信時代の紅白人気も明らかになっています。
1963年の歴代最高81.4%と比べれば、現在の数字は大きく異なります。しかし、視聴方法そのものが変わった今、単純に数字の大小だけで番組の価値を決めることはできません。
2026年末の第77回NHK紅白歌合戦では、前年の回復傾向が続くのか、それとも新たな視聴スタイルに合わせた変化が見られるのか。世帯・個人・総合視聴率、そしてNHK ONEの再生実績を合わせて見ることが、紅白の現在地を理解するポイントになります。