2026年の玉鷲を語るうえで欠かせないのが、幕内から十両への陥落と、そこからの再入幕です。
2026年5月場所、玉鷲は西前頭13枚目で2勝13敗という成績に終わりました。右ふくらはぎの負傷も影響し、13年ぶりに十両へ降格することになりました。
しかし、ここで現役生活に終止符を打つことはありませんでした。
2026年の場所別成績日本相撲協会の公式星取表によると、2026年の成績は次のとおりです。
| 本場所 | 番付 | 成績 |
|---|---|---|
| 1月場所 | 東前頭5枚目 | 5勝10敗 |
| 3月場所 | 西前頭9枚目 | 5勝10敗 |
| 5月場所 | 西前頭13枚目 | 2勝13敗 |
| 7月場所 | 東十両7枚目 | 9勝6敗 |
| 9月場所 | 東十両3枚目 | 10勝5敗 |
| 11月場所 | 東前頭15枚目 | 再入幕 |
7月場所では9勝6敗、9月場所では10勝5敗と、十両で2場所連続の勝ち越しを達成しました。
特に9月場所は、初日から3連敗した後に6日目から9連勝する巻き返しを見せています。最終的に10勝5敗まで成績を伸ばし、幕内復帰を決定づけました。
41歳11か月で昭和以降最年長の再入幕2026年10月26日に発表された九州場所の番付で、玉鷲の再入幕が決まりました。
その年齢は41歳11か月。2018年夏場所に安美錦が記録した39歳6か月を上回る、昭和以降最年長の再入幕です。
11月場所の番付は東前頭15枚目。2026年11月8日に初日を迎える九州場所で、3場所ぶりに幕内の土俵へ戻ります。
10月28日の稽古では、十両の玉正鳳と11番相撲を取り、7勝4敗。相手に力を伝える方法を考えながら稽古していることも報じられました。
スポーツ報知の取材に対しては、再入幕への思いを次のように語っています。
「新鮮な気持ちで頑張りたい。『これぐらい変わって戻ってきたよ』と新しい姿を見せたい」
出典:2026年10月29日付スポーツ報知掲載記事
40代になっても番付を上げることを諦めず、十両で結果を出して幕内へ戻る。この再入幕こそ、2026年の玉鷲を象徴する出来事です。
【連続出場記録】玉鷲の1823回はどれほどすごい?

玉鷲の名前と一緒に検索されることが多いのが、連続出場記録です。
玉鷲は2024年9月場所で初土俵以来の通算連続出場1631回を達成し、歴代単独1位に浮上しました。
その後も記録を更新し続け、2026年11月5日付のスポーツ報知の報道では、初土俵以来1823回連続出場中と紹介されています。
ギネス世界記録にも認定された鉄人ぶり2026年1月26日、ギネス世界記録公式サイトは玉鷲を「大相撲最多連続出場」の記録保持者として紹介しました。
認定時点の記録は1763回です。その後も出場を重ね、11月5日の報道では1823回に達しています。
この記録には、見落としやすい重要な事情があります。
2022年7月場所では、新型コロナウイルス関連の協会の対応によって休場しました。しかし、本人の意思による休場ではなかったため、ギネス世界記録の説明では連続出場の記録が継続する扱いになっています。
したがって、「22年間、一度も制度上の休場がなかった」という意味ではありません。本人都合で出場を断念することなく、長期間にわたり土俵に立ち続けてきたという実績です。
幕内連続出場1152回は止まった?通算記録との違いここは特に誤解されやすいポイントです。
2026年6月29日の日刊スポーツの報道によると、玉鷲の幕内連続出場記録は歴代3位の1152回でストップしました。
理由は2026年5月場所の成績不振によって十両へ降格したためです。
ただし、止まったのは幕内に限定した連続出場記録であり、初土俵以来の通算連続出場記録ではありません。十両に在籍している間も本場所への出場を続けたため、通算記録は更新されています。
両者の違いを整理すると、次のようになります。
- 通算連続出場1823回: 初土俵以来の記録。2026年11月5日時点で継続中。
- 幕内連続出場1152回: 幕内力士としての連続出場記録。2026年5月場所後に終了。
- 幕内通算出場1497回: 幕内で土俵に立った累計回数。2026年11月時点で歴代1位。
この3つは別の記録です。特に「連続出場」と「幕内連続出場」を混同しないことが大切です。
【年齢と現役続行の実態】41歳でも玉鷲が土俵に立ち続ける理由
40歳を超えた力士が幕内で戦うことは、身体的にも精神的にも簡単ではありません。
玉鷲の場合、現役を続ける背景には、身体の状態だけでなく、稽古への向き合い方や相撲に対する考え方があります。
1. 前に出る相撲を貫いている玉鷲の得意技は押しです。
日本相撲協会の公式プロフィールに掲載されている過去6場所の決まり手傾向では、押し出しが55%を占めています。
押し出し55%
突き落とし13%
日本相撲協会公式プロフィール掲載の過去6場所のデータ。77取組31勝を対象とした傾向。
相手を正面から押し込む取り口は、玉鷲の代名詞です。
2024年11月16日、40歳の誕生日に翠富士を押し倒して白星を挙げた際も、日刊スポーツは「前に出る」姿勢を貫く相撲として紹介しました。
一方で、押し相撲は相手に強い圧力をかけるため、身体への負担も小さくありません。2026年5月場所での右ふくらはぎの負傷や成績不振は、年齢を重ねた力士が直面する現実も示しています。
2. 年齢を理由に成長を止めない2026年5月10日公開のMonoMaxのインタビューでは、玉鷲が22年間にわたって出場を続けてきた背景を語っています。
身体面では大きなけがが少なかったことに触れながら、精神面については次のように話しています。
「弱いところがあるからこそ、続けてこられたのかなと思います」
出典:2026年5月10日公開、MonoMaxの玉鷲インタビュー
強さを自信や豪快さだけで説明するのではなく、自分の弱さを認め、それを競技生活の継続につなげている点が興味深いところです。
3. 40代になっても技術を磨いている2026年10月29日のスポーツ報知の記事では、玉鷲が人生で初めて芋掘りを体験したエピソードも紹介されました。
約3時間の作業で、力任せに引き抜こうとしても簡単にはいかず、周囲を掘って仲間と協力することでうまく収穫できたといいます。
その経験から、相撲の稽古にも通じる気づきを得たと報じられました。
つまり、長年培ったパワーだけに頼るのではなく、相手への力の伝え方を考え、工夫する姿勢があるのです。
4. 現役続行の先に三役復帰を目指している2026年11月5日のスポーツ報知の単独インタビューでは、玉鷲は今後の目標として三役への復帰を挙げました。
最高位は関脇。かつて経験した三役の地位へ再び戻ることを、自分の夢として掲げています。
本人が目標を持ち続けていることは、単に記録を更新するためだけに現役を続けているわけではないことを示しています。
【プロの結論】玉鷲の年齢だけで現役生活を判断できない理由玉鷲の実績を評価する際には、次の3点を分けて考える必要があります。
1. 年齢と競技実績: 41歳で幕内へ戻ったことは、昭和以降最年長の再入幕という記録に裏付けられている。
2. 連続出場と番付: 幕内連続出場は止まったものの、通算連続出場は継続している。
3. 現役続行と目標: 本人は三役復帰を目指しており、年齢だけを理由に競技生活の終わりを決めてはいない。
玉鷲の本当の強みは、長く出場していることだけではありません。十両への降格を経験しても、そこで結果を出し、幕内へ戻ってきたことにあります。
40代の力士の可能性を考えるうえで、非常に示唆に富むキャリアです。
【玉鷲の年齢】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:玉鷲は2026年現在、何歳ですか?
A1:2026年11月6日時点で41歳です。1984年11月16日生まれのため、2026年11月16日に42歳になります。
Q2:玉鷲は2026年も幕内力士として現役ですか?
A2:はい。2026年5月場所後に十両へ降格しましたが、7月場所で9勝6敗、9月場所で10勝5敗と勝ち越し、11月場所で幕内に復帰しました。番付は東前頭15枚目です。
Q3:玉鷲の連続出場記録は何回ですか?
A3:2026年11月5日の報道では、初土俵以来1823回連続出場中です。一方、幕内連続出場記録は1152回で、2026年5月場所後に終了しています。
玉鷲の年齢は、2026年11月6日現在で41歳です。1984年11月16日生まれで、同月16日に42歳を迎えます。
モンゴル・ウランバートル出身、身長189cm、片男波部屋所属。2004年の初土俵から22年以上にわたって土俵に立ち、幕内優勝2回、最高位関脇という実績を残してきました。
2026年には5月場所で十両に陥落したものの、2場所連続で勝ち越し、41歳11か月で幕内に再入幕。昭和以降最年長という新たな記録も打ち立てています。
今後注目したいのは、次の3点です。
- 42歳を迎える2026年11月場所での戦いぶり
- 初土俵以来の連続出場記録1823回からのさらなる更新
- 本人が目標に掲げる昭和以降最年長での三役復帰
玉鷲の歩みは、年齢を重ねても技術を磨き、挑戦を続ける力士の姿そのものです。42歳を迎える九州場所は、記録だけでなく、再入幕後の新しい相撲にも注目が集まります。
主な情報源:日本相撲協会公式力士プロフィール、ギネス世界記録公式サイト、日刊スポーツ、スポーツ報知、MonoMax(2026年11月6日時点)。