歌のおねえさんの魅力を語るうえで欠かせないのが、番組から生まれた数々の童謡や月の歌だ。
歴代出演者の歌声とともに記憶されている楽曲には、番組を見て育った世代にとって懐かしいものから、現在の子どもたちに親しまれている新しい曲まで幅広い作品がある。
初代から昭和の時代を彩った童謡
眞理ヨシコ「おもちゃのチャチャチャ」
初代の眞理ヨシコを代表する楽曲として知られる。1963年には第5回日本レコード大賞童謡賞を受賞した。番組をきっかけに、子どもの歌が広く親しまれるようになった時代を象徴する一曲だ。
中野慶子「いぬのおまわりさん」
初代の中野慶子と結びつけて語られる代表的な童謡。親しみやすいメロディーと物語性のある歌詞が、幼児向け番組の歌として定着した。
この時代には、歌唱だけでなく、歌に合わせた振り付けや子どもたちが参加しやすい楽曲が存在感を増していった。
- しゅうさえこ: 「あ・い・う・え・おにぎり」。2001年には本人が作詞・作曲した同曲が番組の月の歌として採用された。
- 神崎ゆう子: 「パンダうさぎコアラ」「どんな色がすき」など、番組の歌を思い出す際に挙げられる楽曲群。
- 茂森あゆみ: 「だんご3兄弟」。8代目歌のおにいさん・速水けんたろうとのデュエットで大ヒットし、1999年のNHK紅白歌合戦にも出演した。
- つのだりょうこ: 「かっぱなにさま?かっぱさま!」「もぐらトンネル」など、リズムや遊びの要素を取り入れた楽曲が親しまれた。
特に「だんご3兄弟」は、番組発の楽曲が一般の音楽市場でも大きな存在感を持つことを示した事例だ。茂森あゆみのキャリアを代表する出来事として、現在も語り継がれている。
2000年代以降の人気曲2000年代以降は、歌のおねえさんと歌のおにいさんが一緒に歌う楽曲や、子どもが体を動かしながら楽しめる作品が充実していく。
- はいだしょうこ: 「おすしのピクニック」「きみのこえ」「タンポポ団にはいろう!!」
- 三谷たくみ: 「ドンスカパンパンおうえんだん」「ありがとうの花」「ジューキーズこうじちゅう!」
- 小野あつこ: 「ぱんぱかぱんぱんぱーん」「ミライクルクル」「すっぱ すっぱ すっぴょ!」
- ながたまや: 「うらら」「キミにはくしゅ!」など。
ここで押さえておきたいのは、これらが必ずしも出演者本人の作詞・作曲によるソロ作品ではないという点だ。
『おかあさんといっしょ』の月の歌は、作詞家や作曲家、編曲家、番組スタッフが制作に関わり、歌のおにいさん・おねえさんたちが番組の中で歌い届ける。出演者の名前と楽曲の記憶が結びついていても、楽曲の制作クレジットとは区別して考える必要がある。
【卒業後の活動】歴代出演者はどんな道へ進んだ?

歌のおねえさんを卒業した後の進路は、全員が同じではない。
歌手活動を続ける人、舞台やテレビに活動の場を広げる人、音楽教育や研究に携わる人など、それぞれの専門性を生かしている。
眞理ヨシコ:歌手から大学教授、童謡文化の継承へ
初代の眞理ヨシコは、番組卒業後も歌手や声優として活動。人形劇『プリンプリン物語』ではヘドロ役を担当した。
日本コロムビアの公式プロフィールによると、大学教授として教育に携わる一方、童謡や日本の音楽文化を伝える活動も続けている。
10代目の小鳩くるみは、番組卒業後、声優としても活躍した。
アニメ『アタックNo.1』では主人公・鮎原こずえの声と主題歌を担当。その後は鷲津名都江の名義で大学教授、児童文学研究者、翻訳家としても活動した。
16代目の神崎ゆう子は、卒業後も歌手として活動。ベネッセやヤマハの幼児向け教材CD・DVDへの出演、オーケストラとの共演など、幅広い仕事を続けている。
2022年には株式会社YUKOGARDENを設立。絵本動画アプリ「うごく音えほん」の制作にも携わり、音楽と子どもの教育を結びつける活動を展開している。
17代目の茂森あゆみは、番組卒業後も芸能活動を継続。ミュージカル、ドラマ、映画、ソロコンサート、音楽番組の司会、声優など多方面で活躍している。
2017年からは「童謡こどもの歌コンクール」の審査にも参加。番組で培った経験を、子どもの音楽文化を支える仕事につなげている。
19代目のはいだしょうこは、宝塚歌劇団を退団した後、歌のおねえさんに就任した経歴を持つ。
2008年の卒業後は、ミュージカルや舞台、テレビ番組、ドラマなどに出演。NHK大河ドラマ『真田丸』では初役を演じた。現在も歌手・俳優・タレントとして活動しており、公式YouTubeチャンネルでも歌を発信している。
20代目の三谷たくみは、2008年から2016年までの8年間を担当した。
2016年の卒業会見では、次のおねえさんへバトンタッチする意向を示し、卒業後は芸能事務所に所属せず、当面はゆっくり過ごすと説明した。その後も公の芸能活動を積極的に再開したという状況ではない。
21代目の小野あつこは、2022年3月に卒業。番組出演後も子ども向けの活動を継続している。
新日本フィルハーモニー交響楽団の公式プロフィールでは、歌やお話の仕事に加え、子ども向けの活動や音楽に関わる仕事を広げていることが紹介されている。
このように、卒業後のキャリアは一様ではない。歌手としての専門性を磨く人もいれば、教育、研究、舞台、映像へと活動の領域を広げる人もいる。歌のおねえさんという経験は、その後のキャリアを形づくる一つの出発点になっている。
【2026年最新】22代目・ながたまやのプロフィールと現在の活動
ながたまや
22代目歌のおねえさん
2022年4月4日〜現在
静岡県出身・12月生まれ
ながたまやは、2022年4月4日から『おかあさんといっしょ』の22代目歌のおねえさんを務めている。
2022年2月16日にNHKが出演者交代を発表し、6年間担当した小野あつこの後任として紹介された。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | ながたまや |
| 歴代の代数 | 22代目 |
| 出身地 | 静岡県 |
| 誕生月 | 12月 |
| 音楽の専門分野 | 声楽 |
| 学歴 | 高校の音楽科、都内の音楽大学 |
| 就任日 | 2022年4月4日 |
| 2026年11月現在 | 現役・担当5年目 |
出身地や誕生月などは講談社のインタビューで紹介されたプロフィールに基づく。生年月日の詳細など、本人が公開していない情報まで推測する必要はない。
5歳から歌のおねえさんを目指していたながたまやの経歴で特に印象的なのは、幼少期から歌のおねえさんになる夢を持っていたことだ。
講談社の『WEBげんき』のインタビューでは、5歳のときの幼稚園の卒園文集に、NHKのおねえさんになりたいという夢を書いていたことが紹介されている。
5歳からミュージカルに参加し、歌やダンスの舞台を経験。その後、高校の音楽科を経て都内の音楽大学で声楽を学んだ。
大学入学後には、歌のおねえさんのオーディションに関する情報を知らせてもらえるよう、大学の教務課に申し込んでいたという。
2022年2月の就任発表会見でも、幼い頃からの夢だったことを明かしている。単に音楽の道を選んだのではなく、子どもの頃から目標にしていた役割を実現した経歴が特徴だ。
花田ゆういちろうとのコンビで番組を担当ながたまやの就任時に歌のおにいさんを務めていたのは、12代目の花田ゆういちろうだ。
2022年4月の交代では、小野あつこからながたまやへ歌のおねえさんの役割が引き継がれ、花田ゆういちろうは引き続き出演した。
この体制では、従来からの童謡に加え、新しい月の歌や季節の楽曲、ファミリーコンサートなどを通じて、子どもたちに音楽を届けている。
2026年の代表曲と最新アルバム
『おかあさんといっしょ』最新ベスト あしたにむかって
花田ゆういちろう・ながたまや
2026年度の歌を中心に、人気曲を収録した年に一度のベストアルバム。2人の体制では5枚目となる作品。
2026年10月21日には、ポニーキャニオンから最新ベストアルバム『あしたにむかって』が発売された。
主な収録曲は次のとおり。
- 「あしたにむかって」:2026年4月の歌
- 「おかおサンドウィッチ」:2026年5月の歌
- 「おにさがしのうた」:2026年6月の歌
- 「はにわなダンス」:2026年7月の歌
- 「オドレオドレドレ」:2026年9月の歌
- 「コロッケこれっきゃない!」:2026年10月の歌
- 「あげあげドーナツ」
- 「ジューキーズこうじちゅう!」
- 「クレヨンロケット」
- 「ひかるみらい」
全22曲を収録し、番組で親しまれてきた楽曲と新しい歌を一緒に楽しめる内容となっている。
2026年の活動を確認するうえでは、最新ベストアルバムの発売情報も重要な手がかりになる。
【よくある誤解も解消】歌のおねえさんに関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在の歌のおねえさんは誰ですか?
A1:22代目のながたまやです。2022年4月4日に就任し、2026年11月現在も『おかあさんといっしょ』に出演しています。
Q2:歴代で最も在任期間が長い歌のおねえさんは誰ですか?
A2:20代目の三谷たくみです。2008年4月から2016年3月までの8年間担当しました。
Q3:歌のおねえさんは全部で何人いますか?
A3:1961年から2026年までに22人です。初期には隔週交代などで同じ代に複数の出演者がいたため、代数と人数は必ずしも一致しません。
Q4:歌のおねえさんの代表曲には何がありますか?
A4:「おもちゃのチャチャチャ」「いぬのおまわりさん」「だんご3兄弟」「ありがとうの花」などがあります。世代によって印象に残る楽曲は異なります。
Q5:歌のおねえさんを卒業した後は何をしていますか?
A5:歌手、俳優、声優、大学教授、音楽教育関係者など、進路はさまざまです。茂森あゆみやはいだしょうこのように芸能活動を続ける人もいれば、神崎ゆう子のように音楽教育や教材制作に携わる人もいます。
歌のおねえさんは、1961年の『うたのえほん』から続くNHKの子ども向け音楽文化を支えてきた存在だ。
歴代22人の歩みを振り返ると、初代の眞理ヨシコや中野慶子による隔週出演の時代から、茂森あゆみと「だんご3兄弟」の大ヒット、三谷たくみの歴代最長8年間の在任、そして小野あつこからながたまやへの交代まで、番組の歴史と出演者のキャリアが密接に結びついている。
2026年11月現在、22代目のながたまやは5年目を迎え、花田ゆういちろうとともに番組を支えている。10月には最新ベストアルバム『あしたにむかって』も発売され、現在進行形で新しい楽曲が生まれている。
歌のおねえさんの歴史を理解するための3つの視点も押さえておきたい。
1. 担当期間を見る: 最長記録だけでなく、各世代の番組構成や交代の背景を理解する。
2. 代表曲を見る: 出演者本人の歌唱実績と、作詞・作曲などの制作クレジットを区別する。
3. 卒業後を見る: 芸能活動の継続だけでなく、教育、研究、音楽文化の継承なども評価する。
歌のおねえさんは、単なる番組出演者ではない。子どもたちが初めて音楽に親しみ、歌う楽しさを知るきっかけをつくる存在だ。
歴代22人が積み重ねてきた仕事は、担当期間が終わっても、番組の歌や視聴者の思い出の中に残り続けている。これからの23代目への交代が訪れる日まで、ながたまやがどのような歌と笑顔を届けていくのかにも注目したい。