四大陸フィギュアスケート選手権は、ヨーロッパ以外の国と地域を代表するトップスケーターが集まり、男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンスの4種目で頂点を競う国際大会です。1999年に創設され、国際スケート連盟(ISU)が主催する選手権の一つとして、世界選手権やヨーロッパ選手権と並ぶ重要な大会に位置づけられています。
2026年大会は中国・北京で1月21日から25日まで開催されました。男子では三浦佳生が2度目の優勝を果たし、友野一希が4位、山本草太が3位。女子では青木祐奈が初優勝し、中井亜美、千葉百音とともに日本勢が表彰台を独占しました。アイスダンスでは吉田唄菜・森田真沙也組も出場しています。加えて、2027年大会はカザフスタンのアスタナで開催される予定です。
この記事では、四大陸選手権の出場資格や大会方式、2026年北京大会の開催日程と日本代表の成績、歴代優勝者、テレビ放送・配信情報、2027年大会の最新予定まで整理します。
【そもそもどんな大会?】四大陸フィギュアスケート選手権の意味と1999年の創設経緯
四大陸フィギュアスケート選手権(Four Continents Figure Skating Championships)は、国際スケート連盟(ISU)が主催するフィギュアスケートのチャンピオンシップです。
最大の特徴は、ヨーロッパを除く地域の選手を対象としていることです。
四大陸とはどこの地域を指す?大会名にある四大陸は、次の4地域を意味します。
- アフリカ
- アメリカ大陸
- アジア
- オセアニア
ヨーロッパ選手権がヨーロッパのISU加盟団体に所属する選手を対象とするのに対し、四大陸選手権はヨーロッパ以外のISU加盟団体に所属する選手を対象とします。
そのため、日本、アメリカ、カナダ、中国、韓国、オーストラリア、カザフスタンなど、異なる地域の強豪が同じ舞台で競い合います。
なお、四大陸という名称だからといって、各地域から1か国だけが参加するわけではありません。複数の国・地域から選手が出場できる大会です。
1999年に創設された理由と第1回大会四大陸選手権が始まったのは、1998-1999年シーズンです。
ISUの公式沿革によると、第1回大会は1999年2月、カナダのハリファックスで開催されました。
創設当初は北米、アジア、オセアニアの選手を対象とする大会として始まり、ヨーロッパ以外の地域にも大陸選手権の舞台を設ける国際競技の枠組みが整えられていきました。
フィギュアスケートでは、長い歴史を持つヨーロッパ選手権が存在していました。一方、アジアや北米などの選手にとっても、地域を代表するタイトルを争う機会が必要でした。
四大陸選手権は、そうした競技機会の広がりを支える大会として発展してきたのです。
現在は男子、女子、ペア、アイスダンスの4種目が実施されています。
【出場資格と大会の仕組み】各国の出場枠は最大3名・組
四大陸選手権を理解するうえで重要なのが、出場資格と各国の代表枠です。
世界選手権と同じように、前年の順位だけで出場枠が決まると思われがちですが、四大陸選手権には異なるルールがあります。
出場できる選手の基本条件ISUの2024年特別規則では、四大陸選手権に出場できるのは、ヨーロッパ以外のISU加盟団体に所属し、規則109条第2項・第3項の条件を満たす選手とされています。
加えて、シニアのISU選手権に参加するには、所定の技術的な参加基準をクリアしなければなりません。
主な条件は次のとおりです。
- ヨーロッパ以外のISU加盟団体に所属していること。
- ISU規則に定められた選手資格を満たしていること。
- 当該シーズンまたは直前シーズンの対象期間に、ISU公認の国際大会で必要な最低技術点を獲得していること。
- ショートプログラムとフリースケーティング、またはリズムダンスとフリーダンスの技術点基準を満たしていること。
ここでいう最低技術点は、ショートプログラムだけ、あるいはフリースケーティングだけで判断するものではありません。
ISU規則では、両セグメントの合計技術点に関する基準が定められています。
各国の出場枠は最大3名・組四大陸選手権では、各ISU加盟団体が次の種目に最大3名・組をエントリーできます。
- 男子シングル:最大3名
- 女子シングル:最大3名
- ペア:最大3組
- アイスダンス:最大3組
ただし、最大3名・組というのは無条件で参加できるという意味ではありません。各選手・カップルが必要な技術基準を満たす必要があります。
また、世界選手権では前年の国別成績などに応じて出場枠が変動しますが、四大陸選手権はそれとは異なる枠組みです。
前年の順位だけで各国の出場可能人数が決まるわけではないという点が、知っておきたいポイントです。
大会で実施される4種目と競技方式| 種目 | 競技内容 | 基本的な構成 |
|---|---|---|
| 男子シングル | 男子選手が個人で演技 | ショート・フリー |
| 女子シングル | 女子選手が個人で演技 | ショート・フリー |
| ペア | 男女2人で演技 | ショート・フリー |
| アイスダンス | 男女2人で音楽とステップを表現 | リズムダンス・フリーダンス |
シングルとペアでは、ジャンプ、スピン、ステップなどの技術要素に加えて、演技全体の構成や表現も評価されます。
アイスダンスは、ペアと混同されやすい種目です。しかし、アイスダンスは音楽のリズムやパートナーとの一体感、ステップ、ターンなどを重視する競技であり、ペアとは評価対象や技術構成が異なります。
ISU規則では、技術要素の得点と演技構成・表現・スケーティングスキルなどのプログラムコンポーネンツを組み合わせて採点します。
【2026年北京大会の日程と結果】三浦佳生・友野一希ら日本代表の成績
2026年の四大陸フィギュアスケート選手権は、中国・北京のNational Indoor Stadium(国家体育館)で開催されました。
ISUの公式大会記録に記載された開催期間は、2026年1月21日~25日です。
一方、実際の各種目の競技は1月22日から25日にかけて行われました。1月21日は大会全体の期間に含まれる公式練習日です。
四大陸選手権2026の開催日程| 日付 | 競技内容 |
|---|---|
| 1月21日(水) | 公式練習など |
| 1月22日(木) | 女子ショート、アイスダンスRD、ペアショート |
| 1月23日(金) | アイスダンスFD、女子フリー |
| 1月24日(土) | 男子ショート、ペアフリー |
| 1月25日(日) | 男子フリー、エキシビション |
※RDはリズムダンス、FDはフリーダンスです。
このように、4種目の競技は複数日に分けて実施されました。
三浦佳生は2度目の四大陸選手権優勝男子シングルで最大の注目を集めたのが、三浦佳生です。
三浦は2022-2023年シーズンの四大陸選手権王者であり、2026年大会では2度目のタイトル獲得を目指して出場しました。
ショートプログラムでは98.59点を獲得して首位に立ちました。
フリースケーティングでは韓国のチャ・ジュンファンが184.73点という高得点を記録。三浦も175.14点を獲得し、最終的に合計273.73点で優勝しました。
2位のチャ・ジュンファンは273.62点。
その差はわずか0.11点でした。
加えて、山本草太が270.07点で3位、友野一希が268.60点で4位に入り、日本男子の強さを示しました。
友野一希は5度目の出場で4位友野一希にとって、2026年北京大会は四大陸選手権5度目の出場でした。
ショートプログラムでは97.19点を獲得し、三浦佳生に続く2位につけました。
日本勢がショートプログラムの上位3枠を独占する好スタートとなりましたが、フリーでは順位が入れ替わり、友野は総合4位で大会を終えています。
三浦と同じ男子日本代表として、経験豊富な友野が国際舞台でどのような演技を見せるかは、大会前から注目されていました。
日本代表の全成績と関係者一覧日本スケート連盟の代表選手発表とISUの公式リザルトを照合すると、2026年大会の日本代表は男子3名、女子3名、ペア1組、アイスダンス1組でした。
2026年北京大会・日本代表の成績
アイスダンスでは、吉田唄菜・森田真沙也組が日本代表として出場しました。
リズムダンスでは67.31点で6位につけ、フリーダンスでは103.35点を獲得。合計170.66点で最終7位となりました。
アイスダンスは、個々の技術だけでなく、2人の動きの同調性や音楽との一体感が重要になる種目です。
シングルのようにジャンプの難度だけで順位が決まる競技ではありません。2人の距離感、滑走の質、ステップの正確性など、異なる視点から演技を楽しめます。
また、ペアでは長岡柚奈・森口澄士組が3位に入り、こちらも日本にメダルをもたらしました。
2026年大会では、日本は男女シングルの優勝に加え、男子の銅メダル、女子の銀・銅メダル、ペアの銅メダルを獲得。合計6個のメダル、うち金メダル2個という結果を残しました。
【歴代優勝者を振り返る】本田武史・浅田真央・三浦佳生らの実績
四大陸選手権の歴史を振り返ると、日本選手が数多くのタイトルを獲得してきたことが分かります。
特に男子シングルでは、1999年の第1回大会から日本選手が優勝しており、2026年にも三浦佳生が再び頂点に立ちました。
日本選手の代表的な歴代優勝者最初に、男子シングルの第1回大会では、本田武史が優勝しました。
ISUの選手別公式記録でも、1999年の四大陸選手権男子優勝が確認できます。
女子シングルでは、村主章枝と浅田真央の活躍が際立っています。
ISU公式記録によると、村主章枝は2001年、2003年、2005年に優勝。浅田真央も2008年、2010年、2013年の3度、女子シングルのタイトルを獲得しています。
そして男子シングルでは、三浦佳生が2023年に続いて2026年にも優勝しました。
このように、四大陸選手権は日本フィギュアスケート界の歴史を振り返るうえでも重要な大会です。
2026年大会の4種目の優勝者2026年北京大会では、次の選手・組が各種目の優勝を果たしました。
- 男子シングル:三浦佳生(日本)
- 女子シングル:青木祐奈(日本)
- ペア:アリサ・エフィモワ/ミーシャ・ミトロファノフ(アメリカ)
- アイスダンス:エミリア・ジンガス/ヴァディム・コレスニク(アメリカ)
特に女子シングルでは、青木祐奈が初優勝。中井亜美が2位、千葉百音が3位となり、日本勢が表彰台を独占しました。
男子と女子の両方で日本選手が優勝したことも、2026年大会の大きな特徴です。
【フジテレビの放送・配信情報】2026年北京大会はどこで見られた?
2026年大会は、フジテレビが地上波放送を担当し、FODプレミアムで全競技のライブ配信を実施しました。
視聴方法によって放送・配信される種目が異なっていた点は押さえておきたいところです。
地上波フジテレビの放送内容フジテレビの公式番組情報によると、地上波では女子シングルと男子シングルのショート・フリーを中心に放送しました。
放送スケジュールは次のとおりです。
| 放送日 | 放送時間 | 競技 |
|---|---|---|
| 1月22日 | 深夜2時15分~3時15分 | 女子ショート |
| 1月23日 | 深夜1時45分~3時15分 | 女子フリー |
| 1月24日 | 深夜3時~4時 | 男子ショート |
| 1月25日 | 深夜1時55分~3時25分 | 男子フリー |
※いずれも当時発表された放送予定です。日付をまたぐ深夜放送に注意が必要でした。
FODプレミアムでは全競技をライブ配信FODプレミアムでは、1月22日~25日の全競技をライブ配信しました。
対象となったのは、次の4種目です。
- 男子シングル
- 女子シングル
- ペア
- アイスダンス
地上波では放送されない競技も含めて視聴できる点が特徴でした。
特に、吉田唄菜・森田真沙也組のアイスダンスや、長岡柚奈・森口澄士組のペアを競技全体を通して見たい人にとって、配信は重要な選択肢でした。
2026年11月現在、大会はすでに終了しています。過去の演技を見たい場合は、フジテレビの「スケート∞リンク(フジスケ)」に掲載されている動画や、FODの見逃し配信・アーカイブの公開状況を確認するとよいでしょう。配信期間や視聴条件は変更される場合があります。
【2027年四大陸選手権】カザフスタン・アスタナ大会は2月9日開幕予定
2027年の四大陸フィギュアスケート選手権については、国際スケート連盟が開催地と日程を発表しています。
開催地:カザフスタン・アスタナ
2027年2月9日~14日
2026-2027シーズン
カザフスタン初開催となる四大陸選手権
ISUは2026年6月22日、2027年大会の開催地をカザフスタンの首都アスタナと発表しました。
大会期間は2027年2月9日~14日です。
この開催には、カザフスタンのフィギュアスケート界にとって特別な意味があります。
ISUの発表によれば、カザフスタンで四大陸選手権が開催されるのは初めてです。また、同国で開催されるフィギュアスケート大会としても、過去最大規模になるとされています。
カザフスタンでは、2011年のアジア冬季競技大会や2017年の冬季ユニバーシアードでもフィギュアスケート競技が実施されてきました。
加えて、2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックで、カザフスタンのミハイル・シャイドロフが男子シングル金メダルを獲得したことも、同国でのフィギュアスケート人気を後押しする出来事となりました。
2027年大会で注目したいポイント2027年大会では、開催国カザフスタンの選手たちが地元の観客の前でどのような演技を披露するかが見どころになります。
特に、2026年北京大会で男子シングル5位に入ったミハイル・シャイドロフは、カザフスタン勢を代表する注目選手の一人です。
一方、日本代表については、今後の国内選考や日本スケート連盟の発表が注目されます。
三浦佳生、友野一希、吉田唄菜・森田真沙也組など、北京大会で活躍した選手たちが再び出場するかどうかも、2027年大会を追ううえでのポイントです。
【四大陸フィギュアスケート選手権に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:四大陸フィギュアスケート選手権はオリンピックと同じ大会ですか?
A1:いいえ。四大陸選手権はISUが主催する国際選手権で、冬季オリンピックとは別の大会です。ヨーロッパ以外のISU加盟団体に所属する選手が参加し、4種目で競います。
Q2:四大陸選手権には日本から何人出場できますか?
A2:男子シングル、女子シングルはそれぞれ最大3名、ペアとアイスダンスはそれぞれ最大3組です。ただし、出場する選手・組はISUが定める最低技術点などの条件を満たす必要があります。
Q3:2026年大会で優勝した日本選手は誰ですか?
A3:男子シングルの三浦佳生と女子シングルの青木祐奈です。三浦は2度目の優勝、青木は初優勝を果たしました。女子では中井亜美が2位、千葉百音が3位となり、日本勢が表彰台を独占しました。
Q4:友野一希と吉田唄菜・森田真沙也組の順位は?
A4:友野一希は男子シングル4位、吉田唄菜・森田真沙也組はアイスダンス7位でした。友野は四大陸選手権5度目の出場でした。
Q5:2027年の四大陸選手権はいつ、どこで開催されますか?
A5:2027年2月9日~14日に、カザフスタンの首都アスタナで開催予定です。カザフスタンでの四大陸選手権開催は初めてとなります。
四大陸フィギュアスケート選手権は、1999年に始まったヨーロッパ以外の地域を対象とするISU公式選手権です。
出場資格は、ヨーロッパ以外のISU加盟団体への所属や最低技術点などによって定められ、各国・地域は各種目に最大3名・組を派遣できます。
2026年の中国・北京大会では、三浦佳生が男子シングルで2度目の優勝を達成。青木祐奈も女子シングルで初優勝を果たしました。友野一希、山本草太、中井亜美、千葉百音、長岡柚奈・森口澄士組、吉田唄菜・森田真沙也組も、それぞれの種目で存在感を示しています。
【プロの結論】大会を見るときに押さえたい3つの視点四大陸選手権をより深く楽しむためには、次の3点が重要です。
1. 出場資格と代表枠を理解すること。 最大3名・組という出場枠と最低技術点の条件を理解すると、各国の代表選考の意味が分かります。
2. シングルだけでなく4種目を見ること。 ペアやアイスダンスにも注目すると、フィギュアスケートの技術と表現の幅をより深く楽しめます。
3. 大会の歴史と開催地の変化を追うこと。 1999年のハリファックスから2026年の北京、そして2027年のアスタナへと開催地が広がる流れは、競技の国際的な発展を象徴しています。
次回の2027年アスタナ大会は、カザフスタン初開催という新しい節目を迎えます。北京大会で見られた日本勢の活躍に続き、どの選手が新たなチャンピオンに輝くのか。各国の代表発表とともに、次のシーズンの動向にも注目したいところです。