近藤のキャリアを分析するうえで見逃せないのが、北海道日本ハムファイターズから福岡ソフトバンクホークスへの移籍だ。
日本ハム時代は、打率と出塁率を重視する巧打者としての印象が強かった。一方、ソフトバンク移籍後は本塁打と打点も大きく伸ばしている。
2023年に本塁打王・打点王を獲得2023年は143試合に出場し、次の成績を記録した。
- 打率:.303
- 安打:149本
- 本塁打:26本
- 打点:87
- 四球:109
- 出塁率:.431
- 長打率:.528
- OPS:.959
特筆すべきは、26本塁打と87打点である。
近藤はそれまで、ホームランを量産するタイプというより、安打と四球で出塁するタイプとして評価されていた。しかし、ソフトバンク移籍1年目に本塁打王と打点王を獲得。最高出塁率も3年ぶり3度目の受賞となった。
出塁能力に加え、長打で得点を生み出す能力も高い水準に達したシーズンだった。
2024年は首位打者とパ・リーグMVPを受賞2024年も打率.314、19本塁打、72打点、出塁率.439を記録した。
特に大きかったのは、自身初の首位打者獲得だ。
2019年と2020年に最高出塁率を連続受賞していた近藤が、今度は打率でもリーグトップに立った。加えて、パ・リーグMVPにも初選出されている。
NPBの年間表彰では、近藤が2024年のソフトバンクのリーグ優勝に貢献した中心選手として評価された。
2026年はキャリアハイ級の長打力を発揮2026年は近藤の打撃力を改めて印象づけるシーズンとなった。
- 打率:.309
- 本塁打:32本
- 打点:108
- 安打:151本
- 四球:101
- 出塁率:.431
- OPS:.999
特に108打点はキャリアハイ。32本塁打も自身のシーズン最多記録となった。
打率3割、30本塁打、100打点を同時に達成し、長打力と出塁能力を兼ね備えた打者として存在感を示した。
2026年は本塁打王・打点王こそ栗原陵矢に譲ったものの、最高出塁率者賞を獲得。打撃タイトルでも結果を残している。
【最高出塁率・40試合連続出塁・ベストナイン】近藤健介の受賞歴と記録

近藤のキャリアを振り返ると、打率3割以上という数字だけでは説明できない実績が並ぶ。
特に重要なのが、最高出塁率の受賞歴、40試合連続出塁、そしてベストナインの選出回数だ。
最高出塁率は通算5度受賞近藤の最高出塁率受賞年度は以下のとおり。
- 2019年: 出塁率.422で初受賞
- 2020年: 出塁率.465で2年連続受賞
- 2023年: 出塁率.431で3度目
- 2024年: 出塁率.439で4度目
- 2026年: 出塁率.431で5度目
2019~2020年と2023~2024年に、それぞれ2年連続でタイトルを獲得している。
そして2026年には2年ぶり5度目の受賞を達成した。
特筆すべきは、10年連続で出塁率4割以上という記録だ。単年の好成績だけでなく、長期的に高い出塁能力を維持してきたことがわかる。
2019年の40試合連続出塁は何がすごかった?2019年4月24日の楽天戦から、近藤は連続試合出塁記録を伸ばし始めた。
6月11日の広島戦では、第1打席で四球を選び、40試合連続出塁を達成した。
パ・リーグ公式の試合前情報でも、この記録は球団史上4人目の快挙として紹介されている。
当時、2009年に田中賢介が記録した41試合連続出塁に並ぶかどうかも注目されていた。
しかし、記録は40試合でストップ。代打での出場時に三振を喫し、連続出塁は途切れた。
この記録の価値は、単に40試合連続で安打を放ったということではない。四球を含めて、40試合連続で一度以上塁に出たという点にある。
つまり、ヒットが出ない日でも四球によって攻撃の起点を作れる近藤の特性が、記録として表れたものだ。
ベストナインは通算5度受賞近藤は最高出塁率だけでなく、ベストナインでも高い評価を受けている。
主な受賞年度は以下のとおり。
- 2018年:指名打者部門
- 2020年:外野手部門
- 2021年:指名打者部門
- 2023年:外野手部門
- 2024年:外野手部門
2021年には北海道日本ハムの選手として、3年ぶり2度目の指名打者部門で選出された。
また、2023年にはソフトバンク移籍後初の外野手部門で受賞し、翌2024年にも2年連続で選出されている。
2024年には首位打者、最高出塁率、MVPも獲得。打撃面での実績が個人表彰にも結びついた。
【UZRで見る守備成績】打撃評価とは異なる近藤健介の課題
近藤の評価では、打撃だけでなく守備面も確認しておきたい。
2019年は登録ポジションを捕手から外野手へ変更した時期であり、左翼を中心に出場しながら三塁も守った。
打撃では最高出塁率を獲得した一方、守備指標には課題も残った。
UZRとは何を評価する指標なのかUZRは「Ultimate Zone Rating」の略称で、守備によって平均的な選手と比較してどれだけ失点を防いだかを評価する指標だ。
守備範囲、送球による進塁抑止、失策の防止などを考慮する。
一般的にはプラスなら平均以上、マイナスなら平均以下の守備貢献を示す。
2019年・2020年の守備指標2019年の左翼守備ではUZR-1.3を記録。打撃でリーグトップクラスの活躍を見せる一方、守備面では課題を抱えていた。
さらに2020年には、左翼手としてのUZRが-4.5となった。
野球データ分析会社DELTAの「1.02 FIELDING AWARDS 2020」では、近藤の左翼守備は581イニングでUZR-4.5と集計されている。特に打球処理の貢献を示すRngRは-5.3だった。
ただし、UZRは守備位置や守備イニング数、評価方法によって変動する指標であり、数字だけで選手の守備能力すべてを判断することはできない。
近藤の場合、打撃での貢献が非常に大きかったことも評価の際には考慮したい。
2023年以降はソフトバンクで外野手として起用され、2023年にはゴールデングラブ賞も受賞している。
打撃と守備は別々の評価軸であり、近藤の選手としての価値を正しく理解するには、両面を分けて見る必要がある。
【プロの結論】近藤健介の成績が示す本当の強さとは?
近藤健介のキャリアを数字から分析すると、最大の特徴は「出塁能力を長期間維持しながら、打撃の幅を広げてきたこと」にある。
その理由は3つある。
1. 四球を選ぶ能力が非常に高い
2019年には103四球、2020年には89四球、2026年にも101四球を記録した。
四球は安打と異なり、投手との勝負の中で選球眼や打席での対応力が問われる。近藤は長年にわたってこの能力を発揮している。
2. 打率と出塁率を両立している
2020年の打率.340、出塁率.465は代表的な実績だ。
打率が高いだけでなく、打率以上に出塁率が高い点が特徴である。安打を打てる能力と、四球を選べる能力の両方を備えている。
3. 長打力も進化している
日本ハム時代の2019年は2本塁打だったが、ソフトバンク移籍後は2023年に26本、2026年には32本を記録した。
打率や出塁率を維持しながら長打力も高めたことが、近藤のキャリアを特徴づけている。
2026年終了時点で通算1500試合、1530安打、139本塁打、754打点、通算打率.307、出塁率.419という成績は、その継続的な活躍を裏付ける。
近藤を評価するときは、打率だけを見て判断するのではなく、出塁率、四球、OPS、本塁打、打点を組み合わせて確認することが大切だ。
【近藤健介の成績】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:近藤健介の2019年の成績は?
A1:138試合に出場し、打率.302、2本塁打、59打点、103四球、出塁率.422を記録した。自身初の最高出塁率タイトルも獲得している。
Q2:近藤健介の2020年の成績は?
A2:108試合で打率.340、5本塁打、60打点、89四球、出塁率.465を記録した。吉田正尚、柳田悠岐に次ぐ打率リーグ3位で、最高出塁率は2年連続の受賞となった。
Q3:近藤健介の最高出塁率は何回?
A3:2026年シーズン終了時点で通算5回。2019年、2020年、2023年、2024年、2026年に獲得している。
Q4:近藤健介の2026年の成績は?
A4:139試合に出場し、打率.309、32本塁打、108打点、出塁率.431を記録。最高出塁率も2年ぶり5度目の受賞となった。
Q5:近藤健介のNPB通算成績は?
A5:2026年シーズン終了時点で1500試合、1530安打、139本塁打、754打点、打率.307、出塁率.419。日本ハムとソフトバンクの2球団で積み重ねた記録だ。
近藤健介の成績を年度別に振り返ると、2019年の打率.302・出塁率.422、2020年の打率.340・出塁率.465が、打撃面での大きな転換点だったことがわかる。
40試合連続出塁、最高出塁率5度、ベストナイン5度という実績は、選球眼と安定した打撃技術の積み重ねによるものだ。
加えて、ソフトバンク移籍後には本塁打と打点も増加。2026年には32本塁打、108打点、出塁率.431を記録し、33歳のシーズンでもリーグを代表する打者として活躍した。
近藤の成績を見る際に重視したいのは、打率だけではなく出塁率と長打率を含めた総合的な打撃評価である。
2026年終了時点の通算打率.307、通算出塁率.419という数字こそ、近藤健介が長年にわたって高い打撃水準を維持してきた証しだ。
今後もその選球眼と対応力が、ソフトバンクの打線を支える大きな武器となる。