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【2026年9月29日の再改定】ANA SFCは何が変わる?PLUSとLITEの違い

雨宮 沙夜 雨宮 沙夜 • 更新: • 公開: • 読了約 20 分
目次

今回の制度改定で最も重要なのは、年間決済額300万円を境に会員区分が分かれることと、300万円未満でも一定のラウンジ利用が認められるようになったことだ。

2026年4月23日の当初発表では、SFC LITE会員はANAラウンジを利用できない予定だった。しかし、9月29日の再発表では国内線の混雑時以外の利用と、特定の国際線ラウンジの利用が認められた。

変更後の制度では、次のように整理できる。

SFC PLUSとSFC LITEの特典比較
比較項目 SFC PLUS SFC LITE 年間決済額 300万円以上 300万円未満 国内線ANAラウンジ 利用可能 混雑時を除き利用可能 国際線ANAラウンジ 従来どおり利用可能 羽田・成田・ホノルルで利用可能 事前予約 不要 国内線で導入予定 スターアライアンス資格 ゴールド シルバー 追加ボーナスマイル 年間5,000マイル 対象外 優先チェックイン 利用可能 ANAグループ便で利用可能 優先搭乗・手荷物優先 利用可能 ANAグループ便で利用可能 特典航空券の優先予約 利用可能 利用可能

出典:ANA公式「ANAスーパーフライヤーズカードのサービスについて」。2026年9月発表の新制度を基準に整理。

SFC PLUSのメリットは何か

SFC PLUSは、年間300万円以上のANAカード・ANA Pay決済を達成した会員向けの区分だ。

主なメリットは以下の3点となる。

- ANAラウンジを従来どおり利用できる。
- スターアライアンス・ゴールド資格を維持できる。
- 年間5,000マイルのSFC特典を受けられる。

特に重要なのがスターアライアンス・ゴールドだ。

ANA以外の加盟航空会社を利用するときにも、対象ラウンジへのアクセスや優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先取り扱いなど、国際線旅行で役立つサービスを受けられる。

一方、年間5,000マイルの特典は本会員のみが対象となる。家族カードの利用額は本会員の決済額に合算されるが、家族会員それぞれに5,000マイルが付与される仕組みではない。

SFC LITEでも残る特典

SFC LITEは、従来のSFC特典がすべて失われる区分ではない。

ANAグループ運航便では、優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先受け取り、国内線座席指定の優先、特典航空券の優先予約などが引き続き利用できる。

ただし、スターアライアンス加盟航空会社を利用する場合は注意が必要だ。

スターアライアンス・シルバーでは、ゴールドに付帯するラウンジ利用や優先搭乗、優先チェックインなどの特典は原則として受けられない。

つまり、ANA便を中心に利用する人と、海外で他社のスターアライアンス便を頻繁に利用する人では、SFC LITEによる影響が大きく異なる。

また、LITEではロンドン・ヒースロー・エクスプレスの優待も対象外となる。

【年間決済額300万円の条件】ANAカード・ANA Payで何が対象になる?

anasfc見直し

SFC PLUSを目指す人にとって、最も気になるのが年間300万円の計算方法だろう。

ANA公式の案内では、対象となるANAカードとANA Payの年間決済額を合算して、翌年度の会員区分を決定する。

航空券の購入だけで300万円を使う必要はない。日常生活の支払いも対象になる。

最初の判定期間は2026年12月16日から

新制度の最初の利用集計期間は、次のとおりだ。


初回の決済集計期間

2026年12月16日


から

2027年12月15日

新制度の開始日

2028年4月1日


この期間の決済実績によって、2028年4月から適用される区分が決まる。

つまり、2026年12月15日までの買い物は初回の集計期間に含まれない。制度開始まで時間があるからといって、準備を後回しにすると初回判定で不利になる可能性がある。

300万円に含まれる支払い

ANA公式が対象として案内しているのは、日本国内発行の対象ANAカードとANA Payによる決済だ。

代表的な支払いには次のものがある。

- ANA航空券の購入
- 電気・ガス・水道などの公共料金
- スーパーでの買い物
- 飲食店での支払い
- 日用品や一般ショッピング
- ANA Payによる対象加盟店での決済

家族カードの利用額も本会員の決済額に合算される。

また、対象ANAカードを複数保有している場合、マイル口座が統合されていれば利用額を合算できる。

300万円に含まれない支払いにも注意

一見すると決済額を増やせそうでも、対象外となる取引がある。

特に注意したいのが、ANAカードからANA Payへのチャージだ。

チャージ金額は判定対象外となるため、ANAカードでチャージしてANA Payで使うことで、二重に決済額を計上することはできない。

そのほか、次の利用も対象外だ。

- 楽天Edy、Suica、PASMO、nimocaなどの付帯電子マネー利用
- ANA銀聯カードの利用
- カード年会費や各種手数料
- キャッシングサービス
- 対象期間内に決済データが到着しなかった利用分

ブランド変更やカード再発行などによって、利用実績が対象外になる場合もある。

そのため、単純にカードの利用明細を合計するだけでは不十分だ。ANA公式の「ご利用実績照会」で判定対象額を確認することが重要になる。

月25万円を目安にすればよい?

年間300万円を12か月で割ると、月平均25万円になる。

ただし、これはあくまで管理上の目安であり、毎月25万円以上を必ず使わなければならないという条件ではない。

例えば、次のような年間決済なら300万円に到達する。

支払い項目 年間利用額の例
公共料金・通信費 36万円
食費・日用品 84万円
旅行・航空券 60万円
その他ショッピング 120万円
合計 300万円

※上記は決済額の組み立て方を示す仮想例であり、ANAが公表した会員の利用実績ではない。

大切なのは、SFC PLUSのためだけに不要な買い物を増やさないことだ。普段の支出を対象ANAカードに集約できるかどうかが判断の分かれ目になる。

【ANA SFC見直しの理由と経緯】なぜ300万円という基準が設定された?

今回の制度変更は、単純なカード利用促進策ではない。

ANAが説明している背景には、SFC会員の増加、ラウンジの収容能力、カード決済額の減少という3つの問題がある。

SFC会員は2019年比で約1.5倍に増加

2026年9月29日の説明会でANAが示したデータによると、SFC会員数は2019年比で約1.5倍に増加している。

加えて、ANAは2030年には現在の約1.2倍、2035年には約1.4倍まで会員が増えると見込んでいる。

特に羽田、新千歳、福岡、那覇などの主要空港では、出発便が集中する時間帯にラウンジが満席になったり、入室待ちが発生したりする問題がある。

空港の施設面にも限界があり、会員数の増加に合わせてラウンジを無制限に拡張することは難しい。

ANAは2027年度に羽田空港の国内線ラウンジ拡張を予定しているが、設備投資だけで混雑問題を解消できるわけではない。

SFC会員のカード利用額が伸び悩んでいた

もう一つの重要な問題が、会員数とカード決済額のバランスだ。

9月29日のANA説明会について報じたTRAICYによると、SFC会員の約4割は年間100万円未満、約3割は50万円未満のカード利用にとどまっていた。

一般的なクレジットカードの年間平均利用額が100万円以上であるのに対し、SFC会員の利用額は低い傾向にあるという。

この状況では、会員数が増えてラウンジなどのサービス提供コストが膨らんでも、カード利用による収益が十分に伸びない。

ANAは、会員に日常的にANAカードを利用してもらい、決済による収益をラウンジの設備投資や利用者への還元につなげる仕組みを目指している。

また、他社のポイント経済圏が成長するなか、航空関連の優待だけでは日常決済をANAカードに集約する動機が弱かったという課題も説明されている。

なぜ200万円ではなく300万円なのか

300万円という数字についても、利用者から疑問が出ている。

ANAは、200万円への引き下げや搭乗実績との併用、適用範囲の変更など、複数の条件を検証したと説明した。

その結果、ラウンジの混雑を緩和しながら、できるだけ多くの会員に利用機会を提供するには300万円が必要と判断したという。

ANAの試算では、SFC PLUSは全体の約4割、SFC LITEは約6割になる見込みだ。

LITE会員の約35%は年間のANA便利用実績がゼロで、実際にラウンジを利用すると見込まれるLITE会員は全体の約25%にとどまるとの説明もあった。

つまり、ANAが300万円という基準を設けた背景には、単なる売上目標だけでなく、ラウンジを利用する会員の人数をコントロールする狙いもある。

【既存SFC会員への影響】退会する必要はある?再入会はできる?

今回の改定で誤解されやすいのが、既存会員への取り扱いだ。

すでにSFCを保有しているからといって、2028年4月以降も従来の特典が無条件で保証されるわけではない。

既存会員も年間決済額に応じてSFC PLUSまたはSFC LITEに区分される。

一方、300万円に届かなかったからといって、SFC会員資格そのものが取り消されるわけではない。カードを保有し続ける限り、翌年度はSFC LITEとしてサービスを受けられる。区分は毎年判定される。

4月の発表を受けて退会した人には特例がある

今回の再見直しでは、4月の当初案を理由に退会した会員に対して、ANAが特例の再入会手続きを用意した。

対象となる条件は次の2つを両方満たすことだ。

1. 2026年4月23日から9月29日までの間にSFCを退会していること。
2. 2026年4月に発表された制度改定を理由に退会していること。

特例申請期限:2027年3月31日

手続きには専用申請フォームを利用する。ANAは、申請後の手続きに1~2か月程度かかる場合があるとしている。

ただし、再入会が無条件で認められるわけではない。提携クレジットカード会社による所定の審査があり、年会費も発生する。

また、再入会後はクレジットカード番号とANAマイレージクラブのお客様番号が新しく発行される。2027年4月1日以降の申し込みは受け付けないとANAは案内している。

ここで注意したいのは、この特例はすべての元SFC会員に適用されるわけではないことだ。

対象期間外に退会した人や、制度改定以外の理由で退会した人は対象外となる。通常の再入会では、ANAが定める入会条件を満たす必要がある。

新規入会の条件は変更されていない

SFCへの申し込み条件そのものは、今回の制度改定でも維持される。

対象となるのは、次のいずれかを満たした人だ。

- ANAのダイヤモンドサービスのステイタスを獲得した人
- ANAのプラチナサービスのステイタスを獲得した人
- ANAグループ運航便への搭乗で100万ライフタイムマイルに到達した人

ただし、新規入会時は100万ライフタイムマイル到達者を除き、原則としてSFC LITEからスタートする。

また、100万ライフタイムマイルに到達した会員は、年間決済額にかかわらずSFC PLUSとなる特例がある。ただし、5,000マイルのボーナスについては300万円以上の決済が必要だ。

【SFC改定に対する評判と反応】会員が問題視したのは何だった?

今回のANA SFC見直しでは、4月の発表と9月の再発表で利用者の反応が変化した。

4月の当初案に対して大きな反発が生じた理由は、長年SFCを保有してきた会員にとって、ラウンジ利用がカード決済額によって制限されることへの不満が大きかったためだ。

SFCは、搭乗実績を積み重ねて資格を獲得し、その後はカードを維持することで上級会員向けの特典を継続して受けられる制度として認識されてきた。

そのため、過去に取得した資格の価値が変わることへの戸惑いもあった。

反応が集中した3つの論点

1.長年の会員に対する配慮

長期間にわたってANAを利用してきた会員にとって、年間300万円という新しい決済基準は、それまでの搭乗実績とは異なる評価軸だ。

過去の搭乗実績や会員歴を考慮した緩和措置がないことに対して、疑問が生じた。

9月29日の説明会では、ANA側も4月の当初案について会員への配慮が不足していたと認め、理解を求めたとJ-CASTニュースが報じている。

2.ラウンジ利用を一律に制限することへの反発

SFC LITEではラウンジを一切利用できないという当初案は、国内線だけでなく国際線を利用する会員にも影響する内容だった。

特に、ANA便を中心に旅行する会員からすれば、これまで利用できていたサービスが大きく制限されることになる。

9月の再発表で、国内線の混雑時以外と羽田・成田・ホノルルの国際線ラウンジが利用可能になったことは、当初案からの大きな修正だ。

3.300万円の基準そのものへの疑問

ラウンジ利用を決済額に結び付けることについても、意見が分かれている。

普段からANAカードをメインカードとして利用する人にとっては、300万円の達成が現実的な場合もある。

しかし、旅行や航空券の購入にSFCを活用していても、日常生活では別のクレジットカードを使っている人にとっては、決済額の引き上げが簡単ではない。

加えて、6月の見直し表明後には、ラウンジ混雑が本当に解消されるのか、制度変更が再び行われるのではないかという懸念も報じられた。

9月の再改定は評価できるのか

今回の修正は、利用者の意見を受けて当初案を変更したという点では前進だ。

一方で、年間300万円という区分基準やスターアライアンス・シルバーへの変更は維持されている。

つまり、利用者の不満がすべて解消されたわけではない。

特に、国際線でスターアライアンス加盟他社を利用する人にとって、LITEへの移行は依然として大きなサービス低下となる。

今後の評価を左右するのは、国内線ラウンジの事前予約がどれだけ使いやすい仕組みになるか、混雑時の入室制限がどのように運用されるか、そしてANAがPLUS会員向けにどのような追加価値を提供するかだろう。

【よくある質問】ANA SFCの見直しに関するFAQ

Q1:ANA SFCは2028年4月から全員がSFC PLUSとSFC LITEに分かれる?

A1:はい。既存会員も対象となり、ANAカード・ANA Payの年間決済額に応じて区分される。300万円以上がSFC PLUS、300万円未満がSFC LITEとなる。100万ライフタイムマイル到達者にはPLUSの特例がある。

Q2:SFC LITEになるとANAラウンジは一切使えなくなる?

A2:いいえ。2026年9月の修正後は、国内線では混雑時を除いて利用できる。国際線ではANAグループ運航便に搭乗する場合、羽田・成田・ホノルルのANAラウンジを利用できる。

Q3:SFC PLUSになるための300万円は航空券の購入だけで達成する必要がある?

A3:いいえ。対象ANAカードやANA Payでの公共料金、スーパー、飲食店、日用品などの日常決済も対象になる。家族カードの利用分も本会員に合算される。

Q4:300万円に届かなかったらSFC資格を失う?

A4:いいえ。SFC会員資格が自動的に失効するわけではない。翌年度はSFC LITEとなり、区分は毎年再判定される。

Q5:SFC LITEでもスターアライアンス・ゴールドを維持できる?

A5:原則として維持できない。SFC LITEではスターアライアンス・シルバーとなり、加盟他社のラウンジや優先搭乗などのゴールド特典は原則利用できなくなる。

Q6:2026年4月の発表後にSFCを退会した人は再入会できる?

A6:制度改定を理由に2026年4月23日から9月29日までに退会した人は、特例で再入会を申請できる。受付期限は2027年3月31日。カード会社の審査と年会費が必要になる。

Q7:SFCのラウンジ事前予約はいつから始まる?

A7:ANAは2027年度中に詳細を案内する予定としている。対象は国内線のANAラウンジで、ANAグループ運航かつANA便名の便が対象。予約枠には限りがあり、一部の共用ラウンジなどは対象外となる。

2026年のANA SFC見直しは、単なるラウンジ利用条件の変更ではなく、上級会員制度そのものの再設計だ。

2028年4月1日からは、年間決済額300万円以上のSFC PLUSと、300万円未満のSFC LITEに分かれる。

9月29日の再改定によって、SFC LITEにも国内線の混雑時以外のラウンジ利用と、羽田・成田・ホノルルの国際線ANAラウンジ利用が認められた。ただし、スターアライアンス・ゴールド資格や5,000マイル特典は戻らない。

今後の判断では、次の3点を確認したい。

- 国内線中心の利用者: LITEでも優先搭乗や混雑時以外のラウンジ利用が残るため、300万円を無理に達成する必要があるか検討する。
- 国際線・他社便を頻繁に利用する人: スターアライアンス・ゴールドを維持する価値を重視し、PLUSを目指すか判断する。
- 日常決済を集約できる人: 家族カードやANA Payを含めて年間300万円に届くか、実際の支出から計算する。

特に注目したいのは、2026年12月16日から初回の決済集計が始まることだ。

ANAは2027年度に羽田空港のラウンジ拡張を予定しており、SFC LITE向けの事前予約制度についても同年度中に詳細を公表する方針を示している。

2028年の制度開始までには、予約方法や対象ラウンジ、混雑時の運用など、確認すべき点がまだ残っている。

SFCを維持するために無理な決済を増やすのではなく、自分の搭乗路線、海外旅行の頻度、カード利用額、必要な特典を照らし合わせること。それが今回の制度変更で後悔しないための最も現実的な判断方法だ。

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デジタルマーケター 雨宮 沙夜
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