2026年11月現在、2027年1月2日・3日に開催される第103回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)に向けて、関東学生連合チームの選手選考が進んでいる。関東学生連合は、大学単独での本大会出場を逃した選手たちに箱根路への挑戦機会を与える特別なチームだ。
今回の第103回大会では、関東学生陸上競技連盟が2026年10月20日付で選手・スタッフ一覧を公表。新しい選考制度に基づき、予選会21位以下の大学から選ばれる個人枠6人と、予選会11~20位の大学に与えられるチーム枠10人の合計16人で編成される。個人枠では慶應義塾大学の成沢翔英らが選出され、一橋大学の有川紘樹も名を連ねた。
この記事では、学生連合の出場資格や選考方法、2027年大会の発表済み選手一覧、監督・スタッフ、歴代の戦績まで整理する。
【学生連合箱根駅伝とは】関東学生連合チームの役割と基本的な仕組み

関東学生連合チームとは、箱根駅伝の予選会で本大会への出場権を獲得できなかった大学の選手を中心に編成される選抜チームである。
正式名称は「関東学生連合チーム」。一般的には「学生連合」「関東学連」と呼ばれることもある。
運営・選考を担うのは、一般社団法人関東学生陸上競技連盟だ。
なぜ学生連合チームが存在するのか箱根駅伝は、大学ごとの総合力を競う大会である。
一方、予選会で大学として出場権を逃しても、個人では本大会に出場できるだけの実力を持つ選手がいる。
学生連合は、そうした選手に箱根駅伝への出場機会を提供する仕組みとして設けられた。
初めて編成されたのは2003年の第79回大会。当初は「関東学連選抜」という名称だった。
その後、2014年2月の関東学連代表委員総会で名称変更が決まり、第91回大会に当たる2015年から現在の「関東学生連合チーム」として出場している。
通常の大学チームとは何が違う?最大の違いは、複数の大学から選手が集まる点にある。
通常の大学チームは、同じ大学の選手で10区間を走る。一方、学生連合は異なる大学の選手が一つのチームとして襷をつなぐ。
選手同士が普段から同じ大学で練習しているわけではないため、チームとしての連携や限られた準備期間での意思疎通も大切になる。
また、現在の学生連合はオープン参加であり、正式な大学順位には算入されない。
つまり、大学の順位争いとは別の立場から、個人の実力と箱根路への挑戦を見せるチームなのである。
【第103回箱根駅伝の選考方法】個人枠6人とチーム枠10人の出場資格
第103回大会の学生連合は、合計16人で編成される。
この制度は第102回大会から導入されたもので、従来の個人成績中心の選考方法から大きく変更された。
チーム枠10人の選出方法チーム枠は、箱根駅伝予選会で総合11位から20位となった大学に、それぞれ1人分の選出権が与えられる制度だ。
対象となる大学は10校。
各大学が自校の選手から代表者を選び、関東学生連合に送り出す。
この仕組みには、予選会で本大会出場を逃した大学にも、チームとして箱根駅伝に関わる機会を残す狙いがある。
選手選考を大学内で行うため、予選会の個人順位だけで代表者が機械的に決まるわけではない。
個人枠6人の選出基準個人枠は、予選会総合21位以下の大学に所属する選手を対象にする。
選考条件は次のとおり。
- 予選会総合21位以下の大学に所属していること。
- 各大学から選出されるのは原則1人。
- 予選会の個人順位が上位6人に入ること。
- 過去の本大会で単独チームまたは連合チームとして2回以上出走していないこと。
- 外国人留学生選手は対象外。
重要なのは、大学の総合順位と個人枠の選考が別々に扱われることだ。
例えば、所属大学が予選会で30位だったとしても、個人順位が対象選手の中で上位に入っていれば選出の可能性がある。
実際に2027年大会では、慶應義塾大学が予選会総合30位だった一方、同大学の成沢翔英が個人枠に選ばれている。
この制度によって、大学全体の結果だけでは評価されない個人の力にも箱根路への道が開かれている。
過去の出走経験は何回まで認められる?第102回大会から、出走回数の上限も変更された。
以前は本大会に1回でも出走経験がある選手は対象外だったが、新制度では2回以上の出走経験がある選手を除外する方式になった。
したがって、過去に1回出走した選手には、条件を満たせば再び学生連合に選ばれる可能性がある。
関東学生陸上競技連盟は、この変更について、幅広い選手に経験を積む機会を与えることと、箱根駅伝を通じた競技力向上を両立させる趣旨を示している。
【箱根駅伝2027出場選手一覧】個人枠6人・チーム枠10大学とスタッフ
第103回大会の関東学生連合について、関東学生陸上競技連盟が公表した選手・スタッフ一覧を整理する。
2026年10月20日付の公式資料には、個人枠6人、チーム枠の対象10大学、スタッフ5人が掲載されている。
なお、関東学連の公式サイトでは10月22日時点の掲載情報として案内されている。
個人枠で選ばれた6選手| 選手名 | 学年 | 所属大学 | 予選会個人順位 | 予選会記録 |
|---|---|---|---|---|
| 成沢翔英 | 3年 | 慶應義塾大学 | 27位 | 1時間02分48秒 |
| 木村楓斗 | 4年 | 流通経済大学 | 61位 | 1時間03分18秒 |
| 尾島樹 | 3年 | 上武大学 | 69位 | 1時間03分34秒 |
| 有川紘樹 | 4年 | 一橋大学 | 79位 | 1時間03分43秒 |
| 橋本将汰 | 4年 | 立正大学 | 88位 | 1時間03分49秒 |
| 髙橋歩夢 | 4年 | 明治学院大学 | 109位 | 1時間04分00秒 |
6人の中で最も個人順位が高かったのは、慶應義塾大学3年の成沢翔英。予選会では27位、記録は1時間02分48秒だった。
特に注目したいのが、一橋大学4年の有川紘樹だ。
個人順位79位、記録1時間03分43秒で選出された。有川の選出は、一橋大学からの箱根路出場という観点でも注目されている。
また、明治学院大学4年の髙橋歩夢は個人順位109位で選出。個人枠の6人目に入った。
ここで注意したいのは、表の順位が予選会全体での個人順位だという点だ。
個人枠は予選会総合21位以下の大学に所属する選手だけを対象にしているため、予選会全体の1~6位がそのまま選ばれる仕組みではない。
チーム枠の対象となった10大学2026年10月17日の第103回予選会で総合11~20位となった大学は、次の10校だ。
| 予選会総合順位 | 大学名 | 選手発表 |
|---|---|---|
| 11位 | 国士舘大学 | 12月10日予定 |
| 12位 | 武蔵野学院大学 | 12月10日予定 |
| 13位 | 立教大学 | 12月10日予定 |
| 14位 | 明治大学 | 12月10日予定 |
| 15位 | 東京国際大学 | 12月10日予定 |
| 16位 | 駿河台大学 | 12月10日予定 |
| 17位 | 麗澤大学 | 12月10日予定 |
| 18位 | 筑波大学 | 12月10日予定 |
| 19位 | 拓殖大学 | 12月10日予定 |
| 20位 | 日本薬科大学 | 12月10日予定 |
この10大学には、それぞれ1人分の選出枠が与えられている。
ただし、11月6日時点で発表されているのは対象大学まで。各大学の代表選手名は、12月10日のチームエントリーで発表される予定だ。
したがって、現段階で個人枠6人とチーム枠10人の全16人が確定・公表されているわけではない。
関東学生連合の監督・スタッフ5人第103回大会のスタッフは次の5人。
- 監督:小川博之(国士舘大学陸上競技部男子駅伝監督)
- コーチ:坂田和(武蔵野学院大学陸上競技部監督)
- コーチ:髙林祐介(立教大学体育会陸上競技部男子駅伝チーム監督)
- マネージャー:佐藤七夏(早稲田大学・関東学生陸上競技連盟幹事)
- マネージャー:前田隼汰(国士舘大学陸上競技部駅伝主務)
監督を務めるのは、予選会11位の国士舘大学の小川博之監督。
チーム枠の最上位大学から指揮官が選ばれている点も、今回の編成の特徴だ。
選手たちは異なる大学から集まるため、監督やコーチには、個々の強みを生かしながらチーム全体をまとめる役割が求められる。
【シード校・予選会通過校との違い】学生連合はなぜ順位がつかない?
箱根駅伝の本大会に出場するチームは、大きく3つの区分に分けられる。
1つ目は前年大会でシード権を獲得した大学、2つ目は10月の予選会を突破した大学、そして3つ目が関東学生連合だ。
シード校と予選会通過校の違いシード校は、前年の本大会で総合10位以内に入り、翌年の出場権を獲得した大学である。
予選会通過校は、10月に行われる予選会で総合上位10校に入った大学だ。
2027年の第103回大会では、この2つの区分から計20大学が本大会に出場する。
一方、関東学生連合は大学単位で出場権を獲得したチームではない。
予選会で本大会出場を逃した大学から選ばれた選手で構成されるため、通常の20大学とは異なる立場にある。
学生連合がオープン参加である理由現在の学生連合はオープン参加として扱われる。
そのため、本大会でどれだけ速いタイムを出しても、通常の大学チームと同じ公式順位には入らない。
区間記録や総合タイムも参考記録として扱われる。
ここは誤解されやすい部分だ。
学生連合が10位相当のタイムでゴールしたとしても、翌年のシード権を獲得できるわけではない。
選手個人にとっては箱根路で走る貴重な経験となるが、所属大学に本大会の出場権やシード権が与えられる制度ではない。
【学生連合の歴代出場記録と戦績】関東学連選抜との違い
関東学生連合の歴史を理解するには、前身の関東学連選抜時代と、現在の学生連合時代を分けて考える必要がある。
2003年から始まった選抜チーム関東学連選抜が初めて出場したのは、2003年の第79回大会だった。
その後、2007年の第83回大会から2013年の第89回大会までは、正式な順位が認められる方式で出場していた。
歴代の記録で特に注目されるのが、第84回大会だ。
2008年の第84回箱根駅伝では、関東学連選抜が総合4位に入った。
これは前身チーム時代の最高成績として知られている。
翌2009年の第85回大会でも総合9位に入り、シード権争いに絡む健闘を見せた。
関東学連選抜と関東学生連合の違い両者は基本的に同じ系譜にある選抜チームだが、名称や大会での扱いが異なる。
- 関東学連選抜:旧名称。2007~2013年は正式な順位が認められていた。
- 関東学生連合:2015年から使用されている名称。現在はオープン参加。
2014年の第90回大会では編成されず、翌2015年の第91回大会から関東学生連合として再出発した。
その後は、総合順位や区間成績が参考扱いとなっている。
近年の学生連合の成績東京箱根間往復大学駅伝競走の公式記録によると、近年の学生連合の総合タイムは次のとおり。
- 第101回大会(2025年):11時間06分53秒
- 第102回大会(2026年):10時間57分35秒
- 第99回大会(2023年):11時間17分13秒
- 第98回大会(2022年):11時間00分25秒
2026年の第102回大会では、10時間57分35秒を記録した。
前年の2025年と比べると、総合タイムは9分18秒短縮されている。
もちろん、学生連合は大学単独チームとは異なる条件で編成されるため、単純なタイム比較だけで評価することはできない。
それでも、異なる大学から集まった選手たちが一つのチームとして箱根路を走る意義は大きい。
【プロの結論】2027年の学生連合で注目すべきポイント
今回の第103回大会で注目したいのは、学生連合の選考方法が単なる個人成績順ではなくなったことだ。
チーム枠10人は、予選会で11~20位だった大学に選出権を与える。個人枠6人は、21位以下の大学から個人成績上位者を選ぶ。
つまり、大学としての総合力を評価する枠と、個人の走力を評価する枠を組み合わせた制度である。
この変更によって、予選会で惜しくも10位以内に入れなかった大学にも、チームとして本大会に選手を送り出す機会が残された。
一方、個人枠では、所属大学の総合順位が低くても、個人で優れた成績を残した選手が選ばれる。
2027年大会では、慶應義塾大学の成沢翔英や一橋大学の有川紘樹など、異なる大学から選ばれた選手たちがどのような走りを見せるかが見どころになる。
また、12月10日に発表予定のチーム枠10人にも注目したい。
最終的な16人の顔ぶれがそろった段階で、各大学の特色や選手の競技力を比較すると、学生連合のチーム構成がより明確になる。
【学生連合箱根駅伝に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:関東学生連合は箱根駅伝で何位まで認められる?
A1:現在はオープン参加のため、通常の大学チームと同じ正式順位には入りません。総合タイムや区間成績は参考記録として扱われます。
Q2:学生連合の選手は何人で構成される?
A2:第102回大会から合計16人制です。予選会総合11~20位の大学から選ばれるチーム枠10人と、21位以下の大学から選ばれる個人枠6人で構成されます。
Q3:2027年の学生連合の選手は全員発表されている?
A3:11月6日時点では全員発表されていません。個人枠6人とチーム枠対象10大学は公表済みですが、チーム枠の代表選手10人は12月10日のチームエントリーで発表される予定です。
Q4:関東学連選抜と関東学生連合は別のチーム?
A4:基本的には同じ系譜にある選抜チームです。2015年から名称が関東学生連合に変更されました。ただし、過去には正式順位が認められた時期もあり、現在のオープン参加方式とは大会での扱いが異なります。
Q5:学生連合には過去に箱根駅伝を走った選手も選ばれる?
A5:選ばれる可能性があります。第102回大会から出走回数の上限が変更され、単独大学チームまたは連合チームとして過去2回以上出走した選手が対象外となりました。1回の出走経験がある選手は条件を満たせば選出対象になります。
2027年の第103回箱根駅伝に出場する関東学生連合チームは、個人枠6人とチーム枠10人の合計16人で編成される。
2026年10月20日付の公式資料では、慶應義塾大学の成沢翔英、一橋大学の有川紘樹ら6人が個人枠に選ばれた。加えて、国士舘大学、武蔵野学院大学、立教大学、明治大学など10大学がチーム枠の対象となっている。
監督は国士舘大学の小川博之。コーチ2人、マネージャー2人を含む5人のスタッフ体制も公表された。
次の大きな注目日は2026年12月10日。チーム枠の代表選手が発表されれば、16人の全体像が明らかになる。
第103回箱根駅伝は2027年1月2日・3日に開催予定だ。
大学単独での出場がかなわなかった選手たちが、異なる大学の仲間と一つの襷をつなぐ。学生連合は、箱根駅伝のもう一つの魅力を象徴するチームである。
主な根拠資料: 関東学生陸上競技連盟の選考制度変更資料・第103回大会選手スタッフ一覧、箱根駅伝公式記録、日本テレビの予選会ルール、日刊スポーツの大会報道。