過去の死亡事故を知ると、実際に富士サファリパークへ行っても大丈夫なのか、不安に感じる人もいるだろう。
現在の施設利用で特に重要なのは、サファリゾーンとウォーキングサファリでは危険の性質が異なることを理解することだ。
サファリゾーンで守るべき安全ルール富士サファリパークの公式FAQでは、サファリゾーンの利用について、動物が放し飼いになっていることを前提とした注意事項が案内されている。
特に重要なのは次のルールだ。
1. 動物が近づいても車の窓やドアを開けない。
2. サファリゾーン内で車から降りない。
3. 動物が車に近づきすぎた場合はクラクションで係員に知らせる。
4. 車両が故障した場合も、安全な場所に停車して係員を呼び、勝手に車外へ出ない。
5. オープンカーやバイクなど、利用できない車両で入園しようとしない。
車両の条件によっては、ジャングルバスへの乗り換えが必要になる。
これらは単なるマナーではない。人間と大型動物の接触を防ぐための安全ルールである。
2026年に来園するなら何を確認すべき?来園を検討する際には、次の3点を確認しておきたい。
- 施設の営業情報: 当日の開園時間、休止中のアトラクション、イベントの変更。
- 周辺地域のクマ情報: 裾野市の公式サイトで須山地区などの最新情報を確認。
- 移動・見学方法: 屋外を歩くコースに不安がある場合は、車やジャングルバスでの見学を検討する。
特に小さな子どもを連れた家族や、野生動物への不安が強い人は、歩行型アトラクションの実施状況を事前に確認しておくと安心だ。
なお、ジャングルバスやマイカーでの見学も、施設のルールを守ることが前提となる。
【プロの結論】富士サファリパーク事故から考える本当の安全性

富士サファリパークの事故を振り返ると、2005年のヒグマ事故と2012年のゾウ事故は、単なる動物による突発的な事故という説明だけでは不十分だ。
2つの事故は、飼育員が動物と接する業務の中で発生している。
ここから考えるべきなのは、動物を人間の思いどおりに動かせるという前提に立たず、予測できない行動が起きても人間の生命を守れる仕組みを整えることだ。
サファリパークの安全性を評価するなら、次の3つが重要になる。
第一に、設備による安全確保。
動物と人間を隔てる扉、柵、仕切りなどが適切に管理されているか。設備の故障や操作ミスを防ぐ仕組みも欠かせない。
第二に、作業手順の安全性。
通常の飼育作業だけでなく、出産、体調不良、動物同士のトラブルなど、特殊な状況に対応する手順が整備されているかが問われる。
第三に、危険を認識した際の判断力。
危険な作業を中止できるか、職員同士で情報を共有できるか、事故が起きた際に原因を検証して改善できるかが重要だ。
施設側の安全管理だけでなく、来園者が利用ルールを守ることも事故防止の一部になる。
過去に死亡事故があったという事実だけで現在の施設が危険だと決めつけることも、現在営業しているから安全だと無条件に判断することも適切ではない。
安全性は、過去の事故から何を学び、現在どのような対策を継続しているかによって評価すべきものだ。
【富士サファリパーク事故】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:富士サファリパークでは2005年に何が起きた?
A1:2005年10月25日、ヒグマを飼育施設から展示スペースへ移動させる作業中に飼育員2人が襲われた。田村知弘さん(34)が死亡し、小泉隆央さん(19)が負傷した。
Q2:2012年のゾウ事故ではなぜ飼育員が死亡した?
A2:2012年10月16日、出産直後の母親アジアゾウと子ゾウに対応するため、飼育員が施設内に入った際に発生した。ラオス国籍のインサボン・カムホンさん(30)が襲われ死亡した。
Q3:富士サファリパークは2026年現在も営業している?
A3:2026年11月6日時点で公式サイトには通常の営業案内が掲載されている。11月の入園受付時間は9時から15時30分まで。アトラクションの実施状況は当日の公式案内で確認したい。
Q4:富士サファリパークの1997年のトラ事故とは?
A4:1997年8月2日に群馬サファリパークで発生した、来園者の夫婦がトラに襲われ死亡した事故を指す。富士サファリパークで起きた2005年のヒグマ事故とは別の事件である。
富士サファリパークでは、2005年のヒグマ事故と2012年のアジアゾウ事故という、2度の飼育員死亡事故が発生している。
それぞれの事故は異なる状況で起きたが、大型動物を管理する現場における安全確保の難しさを浮き彫りにした。
一方、2026年5月には裾野市周辺で野生クマの目撃が相次ぎ、ウォーキングサファリが一時休止された。これは過去の飼育員事故とは異なり、周辺の野生動物への警戒を目的とした営業上の判断だった。
11月6日現在、富士サファリパークは営業案内を公開しており、施設の運営は継続している。
今回の一連の出来事から読み取れるのは、サファリパークの安全性は一度の対策で完成するものではないということだ。
過去の事故を教訓として設備や作業手順を見直し、周辺環境の変化にも柔軟に対応し続けること。それが、動物と人間が共存する施設に求められる安全管理の基本である。