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スマホ認知症は本当?医学的な診断名か、物忘れ・MCIとの違いと予防策を2026年解説

月城 蓮 月城 蓮 • 更新: • 公開: • 読了約 26 分
目次

スマートフォンで調べた情報は覚えていないのに、画面を開けば何時間でも見続けてしまう。人の名前がすぐに出てこない、仕事中に集中力が続かない、何かを取りに行ったのに目的を忘れてしまう。こうした変化を感じたとき、気になるのが「スマホ認知症」という言葉だ。

2026年11月現在、スマホ認知症は医学的に確立された正式な診断名ではない。一方、スマートフォンへの注意の偏りや、通知による集中の中断、情報を次々に処理する習慣が、記憶や注意力に影響する可能性は複数の研究で検討されている。加えて、加齢による物忘れ、MCI(軽度認知障害)、認知症をスマホの使い過ぎだけで判断することはできない。

本当に問題なのはスマホの使用時間なのか、それとも使い方なのか。厚生労働省、国立長寿医療研究センター、日本心理学会の大会研究、2025年から2026年に公表された研究知見をもとに、原因、症状、セルフチェック、見分け方、予防・改善方法、医療機関を受診する目安まで整理する。

【まず結論】スマホ認知症は医学的な診断名なのか?2026年の現状

スマホ認知症

「スマホ認知症」は、スマートフォンやデジタル機器を過剰に使用することで、記憶力や注意力、集中力などに不調を感じる状態を指す通称だ。

アルツハイマー型認知症や血管性認知症のように、医学的に確立された疾患名ではない。診断基準や公的に認められた専用の検査方法、スマホ認知症に特化した標準治療が存在するわけでもない。

2025年7月2日にTBSテレビ「ひるおび」が取り上げた際にも、金町駅前脳神経内科の内野勝行院長が、正式な病名ではないことを説明している。報道では、スマホなどのデジタル機器の使い過ぎに伴う認知機能の不調として紹介された。

ここで区別したいのが、医学的な認知症と、スマホの使い方に関連して生じる一時的な認知パフォーマンスの低下だ。

認知症は、さまざまな原因によって認知機能が障害され、日常生活に支障が出ている状態を指す。国立長寿医療研究センターによると、背景にはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症など複数の疾患がある。

一方、スマホ認知症という言葉で表現される不調には、注意が散漫になる、情報を十分に記憶できない、集中が途切れやすいといった問題が含まれる。

つまり、スマホを長時間使っているから認知症になった、物忘れがあるからスマホ認知症だ、と判断することはできない。

2026年時点での医学的な整理は、スマホの使い方と認知機能の関係には研究上の根拠があるものの、スマホ認知症という独立した病気が確立されているわけではない、というものだ。

【原因を解説】スマホの使い過ぎで物忘れや注意力が低下する理由

スマホを使っていると、メッセージの通知、SNS、ニュース、動画、検索結果など、短時間に大量の情報が目に入る。

問題は情報量だけではない。ひとつの作業に集中している途中で別の情報に注意を切り替える習慣が続くことにもある。

1.通知によって注意が何度も中断される

仕事のメールを読んでいる最中にSNSの通知が届く。動画を見ながらメッセージを返し、再び別のアプリを開く。

こうした行動では、脳が複数の作業の間で注意を切り替え続けることになる。

人間の注意力には限界があり、作業を中断するたびに、元の課題へ戻るための負担が生じる。

その結果、読んだ内容を十分に理解する前に次の情報へ移ってしまい、後から思い出せなくなることがある。

2.ワーキングメモリに負荷がかかる

ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持しながら、考えたり判断したりするための認知機能だ。

例えば、電話番号を聞きながらメモを取る、暗算をしながら買い物の合計金額を考えるといった場面で働く。

スマホによる情報の割り込みやマルチタスクは、このワーキングメモリを使う作業の効率に影響する可能性がある。

スマホが机の上にあるだけでも認知課題の成績に影響するという研究もあり、実際に操作している時間だけが問題とは限らない。

3.自分で覚える機会が減る

電話番号、道順、予定、買い物リストなどをスマホに保存すれば、覚えておく必要は少なくなる。

これは便利な機能であり、スマホに記憶を補助してもらうこと自体が悪いわけではない。

ただし、検索すればすぐ答えが得られる環境では、自分で情報を整理したり、思い出したりする機会が減る場合がある。

情報を見たことと、その情報を記憶として定着させることは同じではない。

4.睡眠不足や生活リズムの乱れが重なる

寝る直前まで動画やSNSを見ていると、就寝時刻が遅くなったり、通知で睡眠が中断されたりすることがある。

睡眠は記憶の整理や定着に関係するため、睡眠不足が続けば、日中の集中力や記憶力にも影響が及びやすい。

また、スマホに時間を取られ、運動や外出、人との会話が減っている場合も注意したい。

スマホの使用だけを原因と考えるのではなく、睡眠、運動、社会的交流を含めて生活全体を見る必要がある。

【2026年最新の研究】スマホは本当に認知機能を低下させるのか?

スマホと認知機能の関係を考える際には、個別の実験だけでなく、複数の研究をまとめた分析にも目を向けたい。

2024年から2026年にかけて公表された研究では、スマホの存在や使い方が認知課題に与える影響だけでなく、デジタル技術の利用が高齢期の認知機能とどのように関係するかも検討されている。

日本心理学会の大会研究:スマホが近くにあるだけで影響する可能性

福島大学の渡邉吏音氏と筒井雄二氏は、日本心理学会第88回大会で「スマートフォンがあるだけで認知能力は低下する」という研究を発表した。

研究では、健康な大学生39人を対象に、スマートフォンを机の上に置くグループ20人と、荷物の中にしまうグループ19人に分け、ワーキングメモリを使う二重課題を実施した。

結果として、記憶する数字の負荷が大きい条件では、スマートフォンを机上に置いたグループの反応時間が長くなる傾向が確認された。

ただし、すべての条件で明確な差が確認されたわけではなく、研究自体も39人を対象にした小規模な実験だ。

したがって、この結果からスマホが近くにあるだけで誰でも認知能力が低下すると断定することはできない。

この研究は日本心理学会の大会発表論文集に掲載されたものであり、日本心理学会全体の公式見解を示すものではない。

2024年のメタ分析:スマホの存在とワーキングメモリ

2024年に公表されたスマートフォンの存在による認知課題への影響を検討したメタ分析では、56件の研究、合計7,093人のデータが分析された。

注目すべき結果は、スマートフォンが近くにあることによる影響が、認知機能のすべてに同じように現れたわけではない点だ。

ワーキングメモリ容量にはマイナスの影響が認められた一方、ほかの認知機能については、統合分析で明確な影響が確認されなかった。

研究間の方法の違いや検出力の問題も指摘されており、スマホの存在による影響を過大評価しない姿勢が求められる。

2025年のNature Human Behaviour:デジタル技術が認知機能を守る可能性

さらに興味深いのが、2025年4月14日にNature Human Behaviourで公表されたメタ分析だ。

研究者のJared Benge氏とMichael Scullin氏は、平均年齢68.7歳の成人411,430人を対象とした57件の研究を分析した。

対象となったデジタル技術には、スマートフォン、コンピューター、インターネットが含まれる。

その結果、デジタル技術を利用することは、認知機能障害のリスク低下と関連していた。研究者らは、デジタル技術の利用が認知機能を弱めるという「デジタル認知症仮説」を裏付ける証拠は見つからなかったと報告している。

ただし、これは因果関係を証明するものではない。デジタル機器を使う人は、社会活動や知的活動など、ほかの生活習慣も異なる可能性があるためだ。

研究知見を比較すると
研究・資料 対象・規模 主な結果と注意点
日本心理学会第88回大会(2024年) 大学生39人 スマホを机上に置く条件で、ワーキングメモリ課題への影響が示唆された
スマホ存在に関するメタ分析(2024年) 56研究・7,093人 ワーキングメモリへのマイナスの影響を確認。ほかの機能では明確な統合効果なし
Nature Human Behaviour(2025年) 57研究・411,430人 デジタル技術の利用と認知機能障害リスクの低下が関連。因果関係は未確定
厚生労働科学研究(2024年度報告) 認知症のある人151人 スマホ利用者は33.8%。家族や友人との交流、買い物や外食への参加との関連が示された

これらの研究から見えてくるのは、スマホそのものを悪者にすることの限界だ。

問題になりやすいのは、通知や情報の割り込みによって集中が妨げられる使い方であり、スマホを通じて人と交流したり、情報を学んだりすることには別の価値がある。

厚生労働科学研究費補助金による2024年度の研究報告書でも、認知症のある高齢者のスマホ利用が調べられている。調査対象151人のうちスマホ利用者は51人、33.8%だった。スマホ利用者は家族や友人との連絡頻度が高く、買い物や飲食に出かける頻度にも関連が見られた。

この調査は横断的なものであり、スマホを使うことで社会参加が増えたと断定することはできない。それでも、スマホが認知症のある人の社会参加を支える道具になり得ることを示す資料だ。

(参考:日本心理学会第88回大会、Nature Human Behaviour、厚生労働科学研究費補助金2024年度研究報告書)

【症状・セルフチェック】スマホ認知症が疑われるときの見分け方

スマホ認知症という正式な診断基準はないため、インターネット上のチェックリストに当てはまった数だけで判断することはできない。

ただし、スマホの使い方と認知機能の不調が重なっていないか、日常生活を振り返ることには意味がある。

スマホの使い方に関するセルフチェック

以下は、スマホの利用習慣を見直すための自己観察項目だ。

- □ 特に目的がないのに、何度もスマホを開いてしまう。
- □ 食事中や会話中にも通知やSNSが気になる。
- □ 仕事や勉強中にスマホを確認し、集中が途切れる。
- □ 複数のアプリを同時に使うことが多い。
- □ 寝る直前までスマホを見ている。
- □ スマホを見ている時間が増え、睡眠や運動の時間が減った。
- □ 人の話を聞いていても、内容が頭に残りにくい。
- □ 調べた内容をすぐに忘れ、何度も同じ検索をする。

複数の項目に当てはまる場合は、スマホの使用目的やタイミングを振り返るきっかけにしたい。

物忘れや認知機能の変化に関するチェック

次に確認したいのは、スマホの利用とは別に、実際の生活でどのような変化が起きているかだ。

- □ 人の名前や物の名前が以前より出てこなくなった。
- □ 何かを取りに行ったのに、何を取りに来たのか忘れることが増えた。
- □ 同じ話や質問を繰り返すようになった。
- □ 予定や約束を頻繁に忘れるようになった。
- □ 慣れている場所で道に迷うことがある。
- □ 料理や買い物など、以前できていた作業に時間がかかる。
- □ お金や薬の管理が難しくなってきた。

特に後半の項目は、スマホの使い過ぎだけでは説明できない可能性がある。

国立長寿医療研究センターが公開しているもの忘れのチェックリストでも、同じことを何度も聞く、薬の管理ができなくなる、時間や場所の感覚が不確かになる、慣れた場所で迷うなどが確認項目として挙げられている。

これらは認知症の診断に使うための参考項目であり、自分で病気を確定するためのものではない。

セルフチェックで確認したい3つのポイント

1.スマホを使わないときにも症状があるか

スマホを見ているときだけ集中力が落ちるのか、仕事や会話、買い物などスマホと関係のない場面でも問題が続くのかを確認する。

2.症状が以前より悪化しているか

一時的な物忘れなのか、数週間から数か月にわたって頻度が増えているのかを振り返る。

3.日常生活に影響が出ているか

仕事のミスが増えた、薬の飲み忘れが続く、家計の管理ができないなど、実際の生活に影響が出ている場合は受診を検討したい。

スマホの利用時間と症状の変化を1〜2週間程度記録すると、医療機関で相談するときにも役立つ。

なお、スマホを使わないと症状が改善するかどうかだけで、認知症やMCIを否定することはできない。

【認知症・MCIとの違い】スマホ認知症と本当の認知機能障害を比較

スマホ認知症と認知症を混同しやすい理由は、どちらにも物忘れや集中力の低下が現れることがあるためだ。

しかし、医学的には区別して考える必要がある。

加齢による物忘れと認知症の違い

例えば、昨日の夕食のおかずをすぐに思い出せないことは、加齢に伴う一般的な物忘れでも起こる。

一方、認知症では、食事をしたこと自体を忘れるなど、体験そのものの記憶が失われることがある。

国立長寿医療研究センターの説明では、加齢による物忘れは手がかりがあれば思い出せることが多いのに対し、認知症では出来事そのものを忘れ、手がかりがあっても思い出せないことが特徴のひとつとされている。

ただし、この違いだけで自己診断することはできない。

MCI(軽度認知障害)とは何か

MCIはMild Cognitive Impairmentの略で、日本語では軽度認知障害と呼ばれる。

認知機能が正常な状態と認知症の中間に位置し、記憶力などの低下が認められる一方、日常生活には大きな支障がない場合が多い。

厚生労働省も、MCIは認知症そのものではないものの、健常な状態とも異なると説明している。

MCIになった人が必ず認知症へ進行するわけではない。適切な対応によって認知機能が正常な状態に戻る可能性もある。

3つの状態を見分けるための比較

スマホの使い過ぎに伴う不調

- 通知や情報の割り込みで集中しにくい。
- 複数の作業を同時にするとミスが増える。
- 睡眠不足やスマホの利用習慣が重なっていることがある。
- 使用環境や生活習慣を見直す余地がある。

MCI(軽度認知障害)

- 記憶力などの認知機能に客観的な低下が見られる。
- 日常生活の基本的な自立は保たれていることが多い。
- 認知症へ進行する場合も、正常な状態へ戻る場合もある。

認知症

- 記憶力や判断力、注意力などに障害が現れる。
- 同じ質問を繰り返す、慣れた場所で迷うなどの変化が起きる。
- 金銭管理や服薬、買い物など日常生活に支障が生じる。
- 原因となる疾患を調べ、適切な診断と支援が必要になる。

重要なのは、スマホの使用習慣に問題がある人でもMCIや認知症を併発する可能性があることだ。

「スマホを使い過ぎているから物忘れが増えた」と決めつけると、別の病気の発見が遅れるおそれがある。

【予防と改善方法】スマホの使用時間を減らすだけでよいのか

スマホによる不調が気になる場合、最初に取り組みたいのは使用時間だけでなく、使い方そのものの見直しだ。

1.通知を減らして集中する時間をつくる

SNSやニュースアプリなど、緊急性の低い通知をオフにする。

仕事や勉強をするときは、スマホを机の上に置かず、視界に入らない場所に置く方法もある。

日本心理学会の大会研究で示唆されたように、スマホが近くにあること自体がワーキングメモリを使う作業に影響する可能性があるためだ。

2.ながらスマホをやめる

動画を見ながら食事をする、メッセージを返しながら仕事をする、会話中にSNSを確認する。

こうした行動を減らし、一度にひとつのことへ集中する習慣をつけたい。

特に読書や学習、仕事など、内容を記憶する必要がある作業では、スマホを別の場所に置くことが役立つ。

3.就寝前のスマホ利用を見直す

睡眠不足は日中の注意力や記憶力に影響する。

就寝前はスマホから離れ、通知で睡眠が妨げられない環境を整える。目覚まし時計を別に用意するなど、寝室でスマホを使う必要性を減らす方法もある。

4.自分の頭で考え、思い出す機会を残す

スマホの検索機能やメモ機能を使うことは便利だが、すべてを機械に任せる必要はない。

例えば、調べた情報を見た後に自分の言葉で要約する、買い物リストを作る前に必要なものを思い出す、読んだ本の内容を誰かに説明するなど、記憶を使う機会を意識的につくる。

5.運動や人との交流を増やす

認知機能の維持を考えるなら、スマホ対策だけに集中するのは不十分だ。

国立長寿医療研究センターは、認知症の予防に関連する要因として、難聴、喫煙、高血圧、肥満、うつ、活動低下、社会的孤立などを挙げている。

また、定期的な運動、バランスのよい食事、人との交流、社会活動への参加、外出などを組み合わせることを推奨している。

スマホを使わない時間を増やすだけでなく、その時間を散歩や会話、趣味、学習に充てることが大切だ。

1日のスマホ利用を見直す具体例
場面 見直したい習慣 実践方法
起床直後 SNSやニュースを長時間見る 先に身支度や朝食を済ませる
仕事・勉強中 通知のたびに画面を確認する 通知を制限し、スマホを視界から外す
食事中 動画やSNSを見続ける 食事に集中し、会話の時間をつくる
休憩中 無目的にアプリを切り替える 散歩やストレッチを取り入れる
就寝前 ベッドで動画を見続ける 就寝前にスマホを離れた場所に置く

1日の使用時間について、すべての成人に共通する「何時間を超えると認知症になる」という医学的な基準は確立されていない。

2時間、3時間といった数字だけで危険度を判断するのではなく、使用目的、通知の頻度、睡眠への影響、仕事や生活への支障を基準に見直すことが現実的だ。

【受診の目安】スマホの使い過ぎだと思っても病院へ行くべき症状

物忘れが気になっても、すぐに認知症と決まるわけではない。

しかし、スマホの使用を減らして様子を見るだけでは不十分なケースもある。

次のような変化が見られる場合は、医療機関への相談を検討したい。

- 同じ質問や話を何度も繰り返す。
- 以前より物忘れが明らかに増えている。
- 食事をしたことや約束したこと自体を忘れる。
- 慣れている場所で道に迷う。
- お金や薬の管理が難しくなる。
- 料理や買い物など、以前できていた作業が難しくなる。
- 性格や行動、意欲に大きな変化が見られる。
- 仕事や家庭生活に継続的な支障が出ている。

特に、本人よりも家族や職場の人が変化に気づいている場合は、周囲の観察も重要な判断材料になる。

何科を受診すればよい?

物忘れが続く場合は、次の診療科や相談先が候補になる。

もの忘れ外来

認知症やMCIの可能性を調べたいときに適している。認知機能検査や必要な画像検査などを通じて評価を受けられる。

脳神経内科

記憶力や注意力の低下について、脳や神経の病気が関係していないかを調べる際の相談先になる。

精神科・老年内科

気分の落ち込み、不安、意欲の低下などが物忘れと重なっている場合にも相談できる。

まずは、かかりつけ医に相談して必要に応じて専門医を紹介してもらう方法もある。

国立長寿医療研究センターのJ-DEPP研究の案内でも、もの忘れ外来、脳神経内科、精神科、老年内科などが受診先として紹介されている。

また、かかりつけ医がいない場合は、地域包括支援センターや認知症疾患医療センターに相談する方法もある。

突然の意識障害や急激な混乱、片側の手足の麻痺、ろれつが回らないといった症状が出た場合は、スマホ認知症と考えて様子を見るのではなく、脳卒中などの緊急疾患も考えて119番で救急要請する必要がある。

【よくある質問】スマホ認知症に関するFAQ

Q1:スマホ認知症は本当に存在する病気ですか?

A1:スマホ認知症は医学的に正式な病名ではなく、スマートフォンの過剰使用に関連して生じる物忘れや集中力の低下などを表す通称です。スマホと認知機能の関係は研究されていますが、スマホが独立した認知症を引き起こすと証明されているわけではありません。

Q2:スマホを1日何時間使うと認知症になりますか?

A2:認知症になるスマホ使用時間の医学的な基準はありません。使用時間だけでなく、通知による集中の中断、ながらスマホ、睡眠不足、運動不足なども考慮する必要があります。

Q3:スマホ認知症は治りますか?

A3:スマホの使い方や睡眠などの生活習慣を見直すことで、集中しにくさや一時的な不調が改善する可能性はあります。ただし、すべての物忘れがスマホに起因するわけではなく、改善しない場合や悪化する場合は医療機関で相談してください。

Q4:スマホ認知症とMCIは同じですか?

A4:異なります。スマホ認知症は通称であり、MCIは医学的に定義された軽度認知障害です。MCIは認知機能の低下が認められる一方、日常生活には大きな支障がない場合が多い状態です。

Q5:若い人でもスマホ認知症になりますか?

A5:スマホの過剰使用による集中力や記憶の不調は、若い世代でも起こり得ます。ただし、それを認知症と同一視することはできません。若い人でも物忘れが長期間続いたり、生活に支障が出たりする場合は医療機関に相談することが大切です。

Q6:スマホを完全にやめたほうがよいですか?

A6:必ずしもそうではありません。スマホは連絡、学習、予定管理、社会参加などに役立つ道具です。問題になっている使い方を見直し、必要な用途には適切に活用することが望ましいでしょう。

Q7:スマホ認知症が心配な場合、最初に何をすればよいですか?

A7:まずはスマホの利用時間や通知、睡眠時間、物忘れの頻度を記録してみましょう。症状が続く場合や悪化する場合、日常生活に支障が出ている場合は、かかりつけ医やもの忘れ外来に相談してください。

2026年11月現在、スマホ認知症は医学的に正式な診断名ではない。しかし、スマートフォンによる注意の分散やマルチタスク、睡眠不足などが、日常的な認知パフォーマンスに影響する可能性は研究で示されている。

一方、2025年にNature Human Behaviourで公表された大規模なメタ分析では、デジタル技術の利用と高齢期の認知機能障害リスクの低下との関連も報告された。厚生労働科学研究でも、スマホが認知症のある人の社会参加を支える可能性が示されている。

この両面を考えると、スマホを使うこと自体を避けるのではなく、使い方を見直すことが現実的な対応になる。

特に意識したいのは次の3点だ。

- スマホとの付き合い方を変える: 通知やながらスマホを減らし、集中できる時間を確保する。
- 生活習慣を整える: 睡眠、運動、食事、人との交流を大切にする。
- 物忘れを軽視しない: 症状が続く、悪化する、生活に支障が出る場合は専門医に相談する。

スマホの使い過ぎによる一時的な不調と、MCIや認知症は同じものではない。大切なのは、すべてをスマホのせいにせず、自分の認知機能や生活の変化を冷静に見極めることだ。

スマホは記憶や判断を補助する便利な道具にもなる。使う時間をただ減らすのではなく、自分の頭で考える時間、人と向き合う時間、体を動かす時間を取り戻すことが、長期的な健康を考えるうえでの出発点になる。

主な根拠資料

- 厚生労働省「軽度認知障害」
- 国立長寿医療研究センター「もの忘れと認知症」
- 日本心理学会第88回大会「スマートフォンがあるだけで認知能力は低下する」
- Nature Human Behaviour(2025年4月)
- 厚生労働科学研究費補助金・2024年度研究報告書
- 国立長寿医療研究センター「認知症の予防」

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美容と暮らしの話題を担当。メーカー公式の成分表記、商品ページ、専門家の公開コメントを確認し、効果を断定しない書き方を徹底しています。

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