新語・流行語大賞は1984年にスタートした。ただし、創設当初から現在のように「年間大賞」と「トップテン」が選ばれていたわけではない。
1984~1990年は新語部門と流行語部門に分かれており、それぞれの金賞が選ばれていた。1991年から年間大賞が設けられ、1994年以降は現在につながる総合的な選考方式へ移行した。
1984~1990年:新語部門・流行語部門の金賞| 年 | 新語部門・金賞 | 流行語部門・金賞 |
|---|---|---|
| 1984年 | オシンドローム | まるきん・まるび |
| 1985年 | 分衆 | イッキ!イッキ! |
| 1986年 | 究極 | 新人類 |
| 1987年 | マルサ | 懲りない○○ |
| 1988年 | ペレストロイカ | 今宵はここまでに |
| 1989年 | セクシャル・ハラスメント | オバタリアン |
| 1990年 | ファジィ | ちびまる子ちゃん(現象) |
- 1991年: …じゃあ~りませんか
- 1992年: きんさん・ぎんさん
- 1993年: Jリーグ
- 1994年: すったもんだがありました/イチロー(効果)/同情するならカネをくれ
- 1995年: 無党派/NOMO/がんばろうKOBE
- 1996年: 自分で自分をほめたい/友愛・排除の論理/メークドラマ
- 1997年: 失楽園(する)
- 1998年: ハマの大魔神/凡人・軍人・変人/だっちゅーの
- 1999年: 雑草魂/ブッチホン/リベンジ
- 2000年: おっはー/IT革命
- 2001年: 米百俵/聖域なき改革/恐れず怯まず捉われず/骨太の方針/ワイドショー内閣/改革の「痛み」
- 2002年: タマちゃん/W杯(中津江村)
- 2003年: 毒まんじゅう/なんでだろう~
- 2004年: チョー気持ちいい
- 2005年: 小泉劇場/想定内(外)
- 2006年: イナバウアー/品格
- 2007年: (宮崎を)どげんかせんといかん/ハニカミ王子
- 2008年: アラフォー/グ~!
- 2009年: 政権交代
- 2010年: ゲゲゲの~
- 2011年: なでしこジャパン
- 2012年: ワイルドだろぉ
- 2013年: 今でしょ!/お・も・て・な・し/じぇじぇじぇ/倍返し
- 2014年: ダメよ~ダメダメ/集団的自衛権
- 2015年: 爆買い/トリプルスリー
- 2016年: 神ってる
- 2017年: インスタ映え/忖度
- 2018年: そだねー
- 2019年: ONE TEAM
- 2020年: 3密
- 2021年: リアル二刀流/ショータイム
- 2022年: 村神様
- 2023年: アレ(A.R.E.)
- 2024年: ふてほど
- 2025年: 働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相
過去の受賞語には、テレビやスポーツを通じて幅広い世代に知られるようになった表現が多い。
例えば、2013年の「今でしょ!」はテレビ出演をきっかけに広く使われ、2018年の「そだねー」はカーリング女子日本代表の活躍とともに全国へ浸透した。
2021年の「リアル二刀流/ショータイム」は大谷翔平の活躍、2023年の「アレ(A.R.E.)」は阪神タイガースの優勝を象徴する言葉だった。
一方、2026年の候補は性格が異なる。
「ドパガキ」「ホビ垢」「フレネミー」のように、特定のネットコミュニティや若い世代を中心に理解される言葉がある一方、「ナフサ」「データセンター」「声の権利」のように、専門的な社会問題を背景に持つ言葉も多い。
つまり、誰もが同じ言葉を使う時代から、それぞれの生活圏や関心領域で異なる言葉が広がる時代へと、流行語の姿が変化している。
【プロの結論】2026年の年間大賞を予想するなら何に注目すべき?

2026年の30語を編集者・メディアの視点から評価すると、注目すべきなのは単純な知名度ではなく、言葉がどれだけその年の出来事や社会の変化を象徴しているかという点だ。
現時点で特に注目したい候補は次の3つだ。
1位候補:りくりゅうスポーツの歴史的成果を短い言葉で象徴できる点が強みだ。
オリンピックの金メダルという明確な出来事があり、2人の名前を組み合わせた愛称も覚えやすい。スポーツファン以外にも伝わりやすい話題性がある。
対抗候補:あかり、信じてるからなSNS時代の共感文化を象徴する言葉だ。
料理家の名前がファンの間で共有されるフレーズになり、特定のレシピを作る場面以外にも、期待と不安が入り混じる状況を表現できる。言葉の成り立ちにも2026年らしさがある。
社会性で注目:NISA貧乏・AI暴走この2語は、2026年の社会が抱える不安を象徴している。
NISA貧乏は将来の資産形成と現在の生活のバランス、AI暴走は技術進歩と安全性のバランスという問題を示している。
単なる一時的な流行ではなく、今後も社会的な議論が続く可能性があるテーマだ。
ただし、これはノミネート語の特徴を踏まえた編集上の予想であり、選考委員会の決定を示すものではない。
流行語を見極める3つの判断基準読者が今年の流行語を評価するときには、次の3点を意識すると理解しやすい。
1. 社会的な広がりがあるか: 特定のSNSだけで使われているのか、それとも世代や地域を越えて知られているのか。
2. その年を象徴する出来事があるか: スポーツの歴史的成果や制度変更など、具体的な背景と結びついているか。
3. 一過性で終わらない意味があるか: AI、経済、防災など、翌年以降も社会に影響を与えるテーマを含んでいるか。
この3点から見ると、2026年の候補は、単に面白い言葉を集めたリストではない。人々が何を楽しみ、何を不安に感じ、どんな変化に直面していたかを記録した社会の資料としても価値がある。
【新語流行語大賞に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年の新語・流行語大賞のノミネート発表日はいつ?
2026年11月5日(木)にノミネート30語が発表された。トップテンと年間大賞は12月1日(火)午後2時に発表・表彰される予定だ。
Q2:2026年のノミネート語30で1位はどれ?
ノミネート30語は五十音順で掲載されており、順位はない。年間大賞も2026年11月6日時点では未発表だ。
Q3:新語・流行語大賞は誰が決める?
『現代用語の基礎知識』の掲載語をベースに自由国民社や事務局などが候補を選び、選考委員会がトップテンと年間大賞を決定する。2026年の選考委員は辛酸なめ子、パトリック・ハーラン、室井滋、やくみつる、大塚陽子の5人だ。
2026年の新語・流行語大賞は、11月5日にノミネート30語が発表され、12月1日の年間大賞発表を待つ段階にある。
「りくりゅう」「パンチくん」「あかり、信じてるからな」は、スポーツや動物、料理を通じて生まれた共感の言葉だ。
一方、「ドパガキ」「フレネミー」「ホビ垢」「スマホ農場」は、SNSを中心とした新しい人間関係や情報環境を映し出す。「NISA貧乏」「ナフサ」「酷暑日」「AI暴走」は、経済や気候、技術の変化が私たちの生活に直接影響していることを示している。
【プロの結論】2026年の流行語を理解する鍵は、言葉の面白さだけでなく、その言葉が生まれた社会的背景に目を向けることだ。
歴代の「そだねー」「インスタ映え」「3密」「リアル二刀流/ショータイム」と同じように、今年の候補も数年後には2026年という時代を振り返る手掛かりになるかもしれない。
12月1日にどの言葉が年間大賞に選ばれるのか。30語の最終的な評価とともに、選考結果が映し出す2026年の日本社会にも注目したい。