ホーム スポーツ 坂本花織のショート曲は何?2026年五輪で響いた名曲と選曲理由、歴代プログラムを徹底解説

坂本花織のショート曲は何?2026年五輪で響いた名曲と選曲理由、歴代プログラムを徹底解説

星野 恵 星野 恵 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
目次

2025-2026シーズン、坂本花織選手がショートプログラム(SP)で使用した楽曲は、「Time To Say Goodbye(タイム・トゥ・セイ・グッバイ)」です。振付を担当したのは、北京五輪以来、約4シーズンぶりにタッグを組んだフランス人振付師のブノワ・リショー氏。現役最後の五輪シーズンを飾るプログラムとして、大きな注目を集めました。

この曲のルーツは、イタリアのテノール歌手アンドレア・ボチェッリが歌った「Con te partirò」。サラ・ブライトマンとのデュエットによって世界的なヒット曲となった名曲です。2026年2月のミラノ・コルティナ五輪では坂本選手の演技をきっかけに楽曲のダウンロード数が急上昇し、サラ本人からも祝福のメッセージが届きました。加えて、フリーの「愛の讃歌」に込められた特別な思いも見逃せません。

※2026年11月現在、坂本選手は5月13日に引退会見を行い、21年間の競技生活に幕を下ろしています。この記事では、最後の競技シーズンとなった2025-2026年のプログラムを中心に振り返ります。

【2025-2026最新】坂本花織のショート曲は「Time To Say Goodbye」

坂本花織ショート曲

坂本花織選手の2025-2026シーズンのショートプログラムに採用されたのは、「Time To Say Goodbye」です。

演奏は、世界的ソプラノ歌手のサラ・ブライトマンとイタリアのテノール歌手アンドレア・ボチェッリによるデュエット版が基になっています。

このプログラムの振付師は、フランス人のブノワ・リショー氏です。

坂本選手は2025年7月5日に公開された五輪対策合宿で新しいSPを披露。得意とするスピード感のある滑りに加え、連続3回転ジャンプなどを組み込んだ構成で、新シーズンへの期待を高めました。

なぜ最後のシーズンにこの曲だったのか?

「Time To Say Goodbye」というタイトルから、現役生活との別れを連想する人も少なくありません。

しかし、坂本選手が語ったプログラムの意味は、単純な別れとは異なります。

2025年6月のSportivaのインタビューで、坂本選手はショート曲について、振付師から提案されたものだと説明しています。

加えて、曲名には「さようなら」という意味があるものの、本人が伝えたかったのは、終わりではなく次の自分へ進んでいくことでした。

つまり、このプログラムは引退を悲しむための作品ではなく、長い競技生活の先にある新しい人生への出発を表現したものだったのです。

この解釈を知ってから演技を見ると、曲名と坂本選手の表現が持つ意味合いが大きく変わってきます。

【原曲を解説】Time To Say Goodbyeはイタリア発祥の名曲

「Time To Say Goodbye」は、もともとイタリア語の「Con te partirò(コン・テ・パルティロ)」という楽曲から生まれました。

歌ったのは、イタリアを代表するテノール歌手アンドレア・ボチェッリです。

1995年に発表されたこの曲は、ボチェッリの代表曲の一つとなりました。

Con te partiròから世界的なデュエット曲へ

楽曲が世界的な知名度を獲得するきっかけとなったのは、サラ・ブライトマンとの共演です。

サラ・ブライトマンは、ドイツのボクサー、ヘンリー・マスケの引退試合に向けた楽曲を探していた際、ボチェッリの「Con te partirò」を耳にしました。

その後、フランク・ピーターソンによる編曲を経て、ボチェッリとブライトマンがデュエットとして再録音。タイトルを「Time To Say Goodbye」に変更して発表されました。

1996年11月23日のマスケの引退試合で披露されたことをきっかけに、大きな反響を呼びました。

サラ・ブライトマンの公式ディスコグラフィーでも、この楽曲の成立経緯が紹介されています。

原曲と坂本花織選手の使用曲の違い
比較項目 内容
原曲 Con te partirò
原曲の歌手 アンドレア・ボチェッリ
原曲の発表 1995年
世界的なデュエット版 Time To Say Goodbye
デュエット歌手 サラ・ブライトマン、アンドレア・ボチェッリ
編曲 フランク・ピーターソンによる再構成
坂本選手のSP 2025-2026シーズン
SP振付師 ブノワ・リショー

注目したいのは、イタリア語の原曲と国際的に知られるデュエット版では、タイトルだけでなく楽曲の構成や表現にも違いがあることです。

「Con te partirò」は、直訳すれば「あなたとともに旅立とう」という意味合いを持ちます。一方、「Time To Say Goodbye」は「別れを告げる時」という印象を与えます。

坂本選手の演技では、この楽曲が持つ壮大さと旅立ちのイメージが、最後の五輪シーズンという背景と重なりました。

【4年ぶりのタッグ】坂本花織とブノワ・リショーの関係

今回のショートプログラムでもう一つ注目されたのが、振付師ブノワ・リショー氏との再タッグです。

二人が最後に振付で一緒に取り組んだのは、2022年北京五輪のシーズンでした。

その後、坂本選手は別の振付師とも取り組みながら表現の幅を広げ、2025-2026シーズンに再びリショー氏へ依頼しました。

なぜ再びリショー氏を選んだのか?

2025年7月5日の日刊スポーツの報道によると、坂本選手は再タッグの理由について、自分自身の強い希望があったことを明かしています。

本人にとってリショー氏の振付は、自分の持ち味に合ったものだったからです。

北京五輪までの経験を踏まえ、最後のシーズンに自分らしいスケートを見せるためには、彼の力が必要だと考えていました。

坂本選手は、以前のリショー氏との練習について、厳しい指導を受けていたことも振り返っています。

久しぶりに再会した際には、以前とは違って優しい雰囲気になっていたと笑顔で話していました。

この再会には、単なる懐かしさ以上の意味があります。

若い頃に厳しい指導を受けた相手と、数々の世界大会を経験したトップ選手として再び向き合うことになったからです。

選曲と振付の役割分担

今回のプログラムでは、ショートとフリーで選曲の決まり方が異なります。

ショートはリショー氏からの提案、フリーは坂本選手自身が以前から希望していた楽曲でした。

この違いは、最後のシーズンをどのような作品で締めくくるかという本人の考えを理解するうえで重要です。

【フリーとの違い】「愛の讃歌」に込められた鈴木明子への憧れ

坂本選手の2025-2026シーズンのフリースケーティングでは、「愛の讃歌」を中心としたフランスの名曲メドレーが採用されました。

ISUの選手プロフィールに記載されている楽曲は、次の3曲です。

- La vie en rose(バラ色の人生)
- Hymne à l'amour(愛の讃歌)
- Non, je ne regrette rien(水に流して/後悔はしない)

演奏にはパトリシア・カースとエディット・ピアフの楽曲が使用されています。

12年前から温めていた特別な選曲

フリーの「愛の讃歌」には、坂本選手自身の長年の憧れが込められています。

きっかけは2014年のソチ五輪でした。

坂本選手が憧れていた鈴木明子さんが、同大会で「愛の讃歌」をショートプログラムに使用していたのです。

当時の演技を見た坂本選手は、自分が引退するシーズンには絶対にこの曲を使いたいと考えるようになったといいます。

約12年にわたって心に残していた楽曲を、最後のシーズンで実現させた形です。

テレビ朝日の2026年2月の報道でも、坂本選手が自身のスケート人生と「愛の讃歌」の世界観を重ねていたことが紹介されています。

ショートとフリーの違いを整理
項目 ショートプログラム フリースケーティング
メイン楽曲 Time To Say Goodbye 愛の讃歌
音楽の背景 イタリア発祥の名曲 フランスのシャンソン
主な歌手 サラ・ブライトマン、アンドレア・ボチェッリ パトリシア・カース、エディット・ピアフ
振付師 ブノワ・リショー マリー=フランス・デュブレイユ
選曲の経緯 振付師からの提案 坂本選手自身の長年の希望
表現のテーマ 次の自分への出発 自身の競技人生と憧れへの思い

ショートが次の人生へ進むためのプログラムだったのに対し、フリーはこれまでの歩みを振り返り、自分自身の人生を表現するプログラムだったと捉えられます。

2つの作品は、異なる国の音楽を使いながら、最後の競技シーズンという一つの物語を構成していました。

【ミラノ・コルティナ五輪】今季世界最高78.88点とサラ・ブライトマンの祝福

2026年2月6日、ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート団体戦女子ショートプログラムで、坂本選手は「Time To Say Goodbye」に乗せた演技を披露しました。

結果は78.88点で1位。

当時の今季世界最高得点を記録し、日本チームを暫定2位へ押し上げる大きな演技となりました。

続く個人戦でも同じプログラムを披露し、2月17日の女子ショートプログラムで77.23点を獲得。2位でフリーへ進みました。

最終的に女子シングルでは合計224.90点で銀メダルを獲得。団体戦でも日本チームは銀メダルを手にしています。

サラ・ブライトマン本人から祝福メッセージ

坂本選手の演技で大きな話題になったのが、楽曲を歌うサラ・ブライトマン本人からのメッセージです。

2026年2月7日、団体戦女子ショートプログラムで1位となった坂本選手に対して、サラは自身のXで祝福のコメントを発表しました。

内容は、団体戦での1位を祝うとともに、自分の楽曲を演技に選んでくれたことへの感謝を伝えるものでした。

加えて、個人戦のショートプログラム後、そして銀メダル獲得後にもメッセージを送りました。

2月20日にユニバーサルミュージックが公開した発表では、銀メダル獲得後のサラのコメントとして、次の言葉が紹介されています。

「最後のオリンピックシーズンを飾るにふさわしい、深く意義深い選曲」

楽曲の歌い手本人が、坂本選手のプログラムに込められた意味を受け止めていたことが分かります。

楽曲のダウンロード数が2050%上昇

坂本選手の演技は、競技結果だけでなく音楽の人気にも影響しました。

2026年2月8日のテレビ朝日NEWSとユニバーサルミュージックの発表によると、団体戦の演技後、「Time To Say Goodbye」のダウンロード数は前日比で2050%上昇しました。

サラ・ブライトマンのソロバージョンは、iTunes Storeのポップチャートで演技前の200位圏外から翌日には5位まで急上昇しています。

加えて、2月20日のユニバーサルミュージックの発表では、五輪前と大会期間中を比較したダウンロード数が2712%増、ストリーミングも323%増と報告されました。

これらは異なる集計時点・比較期間の数字です。

一度の演技が、世界的な名曲に再びスポットライトを当てたことを示す興味深い事例となりました。

【現在と歴代】坂本花織のショートプログラム使用曲の変遷

坂本選手は、これまでクラシック、映画音楽、ポップス、ジャズなど幅広いジャンルの楽曲をショートプログラムに採用してきました。

フジテレビのスケート情報サイト「フジスケ」に掲載されているプログラム情報をもとに、主な変遷を整理します。

- 2017-2018シーズン:「月光」(ベートーヴェン)
- 2018-2019シーズン:「From My First Moment」
- 2019-2020シーズン:「No Roots」
- 2020-2021シーズン:「バッハ・ア・ラ・ジャズ」
- 2021-2022シーズン:映画『グラディエーター』より
- 2022-2023シーズン:「Rock With U / Feedback」(ジャネット・ジャクソン)
- 2023-2024シーズン:「Baby, God Bless You」
- 2024-2025シーズン:「Resurrección del Ángel / La muerte del Ángel」
- 2025-2026シーズン:「Time To Say Goodbye」

こうして振り返ると、坂本選手のプログラムは一つのジャンルにとどまっていません。

特に2022-2023シーズンのジャネット・ジャクソンの楽曲を使ったプログラムや、2023-2024シーズンの清塚信也による「Baby, God Bless You」などは、今回の壮大なイタリア歌曲とは異なる魅力を持っています。

坂本花織のショート曲の動画を見るときの注目ポイント

演技映像を視聴するなら、次の3点に注目すると、楽曲とスケーティングの関係が理解しやすくなります。

1. 冒頭の滑り出し:音楽の壮大な雰囲気に対して、坂本選手がどのようにスピードを作っているか。
2. ジャンプと音楽の調和:ジャンプの着氷だけでなく、その前後の動きが音楽とどうつながっているか。
3. 終盤の表現:音楽の盛り上がりに合わせて、ステップや身体表現がどのように展開するか。

特に2026年2月6日の団体戦SPと2月17日の個人戦SPを見比べると、同じ曲でも大会ごとの演技の違いを楽しめます。

映像を探す場合は、オリンピック公式の競技映像やテレビ東京スポーツなど、放送局・大会公式の配信を優先するとよいでしょう。

【よくある誤解を解消】坂本花織のショート曲に関するよくある質問(FAQ)

Q1:坂本花織の2025-2026シーズンのショート曲は何ですか?

A1:サラ・ブライトマンとアンドレア・ボチェッリのデュエットで知られる「Time To Say Goodbye」です。振付師はブノワ・リショー氏です。

Q2:「Time To Say Goodbye」の原曲はイタリアの曲ですか?

A2:はい。アンドレア・ボチェッリが1995年に発表したイタリア語の「Con te partirò」が原曲です。後にサラ・ブライトマンとのデュエット版として再構成され、世界的に知られるようになりました。

Q3:坂本花織はなぜブノワ・リショーと再び組んだのですか?

A3:本人が強く希望したためです。リショー氏の振付が自分に合っており、最後のシーズンに自分らしいスケートを見せるために必要な存在だと考えていました。

Q4:フリーの「愛の讃歌」はなぜ選ばれたのですか?

A4:2014年ソチ五輪で憧れの鈴木明子さんが使用していたことがきっかけです。坂本選手は自分の引退シーズンにこの曲を使いたいと、以前から考えていました。

Q5:サラ・ブライトマンは坂本花織にコメントを送りましたか?

A5:はい。2026年2月7日の団体戦SP後に祝福し、その後の個人戦SPや銀メダル獲得後にもメッセージを送りました。

Q6:2026年11月現在、坂本花織はこの曲で競技を続けていますか?

A6:いいえ。2026年5月13日に引退会見を行い、競技生活を終えています。「Time To Say Goodbye」は、現役最後の2025-2026シーズンを代表するショートプログラムです。

まとめ:坂本花織の「Time To Say Goodbye」は別れではなく新しい出発の曲

坂本花織選手の2025-2026シーズンのショートプログラムは、イタリア発祥の名曲「Time To Say Goodbye」でした。

この楽曲は、ブノワ・リショー氏との約4年ぶりの再タッグによって形になった作品です。

一方、フリーの「愛の讃歌」には、12年前に見た鈴木明子さんへの憧れが込められていました。

ミラノ・コルティナ五輪では団体女子SPで78.88点を記録し、個人戦でも銀メダルを獲得。サラ・ブライトマン本人からの祝福や、楽曲のダウンロード数の急上昇など、競技の枠を超えた反響を生み出しました。

そして2026年5月、坂本選手は21年間の競技生活に幕を下ろしました。今後は神戸を拠点に、コーチとして次世代の選手を育てる道を志しています。

「Time To Say Goodbye」は、坂本花織選手にとって単なる別れの歌ではありませんでした。

最後の五輪シーズンに自分らしい演技を貫き、次の人生へ進む。その思いを象徴する一曲として、彼女の競技人生を語るうえで欠かせないプログラムとなっています。

主な参照資料・事実確認資料

- ISU公式選手プロフィール・使用楽曲情報
- フジテレビ「フジスケ」歴代プログラム情報
- 日本オリンピック委員会(JOC)大会記録
- シスメックス株式会社・2026年5月13日引退発表
- ユニバーサルミュージック・サラ・ブライトマン関連発表
- 日刊スポーツ、Sportiva、テレビ朝日NEWSの五輪・選曲関連記事

同じカテゴリの記事

星野 恵
トレンドリサーチャー 星野 恵
プロフィールを見る →

スポーツと大会の話題を担当。リーグ公式記録、主催者発表、会場公式サイトを突き合わせ、日程と結果は公式データで再確認します。

おすすめの関連記事